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首途
「首途〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
首途の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
、その暗示《しらせ》が来たのではあるまいか。イヤそんな事もあるまいが、横断旅行の
首途《かどで》にこの理由《わけ》の分らぬ血汐は不吉千万、軍陣の血祭という事はある....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
もう今の支倉にはそんなものは用はない。そうだ、今日生きながら悪魔になろうと誓った
首途の犠牲に、そいつを踏み潰してやろう」 怒髪天を衝き眼は爛々として輝き、かっ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
の間に読まれつづけている。 私はその生命の春に目ざめて、人生の探究に出発したる
首途にある青年たちにはこの書がまさしく、示唆に富める手引きとなり得るであろうこと....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
が出て堪えられん。月の夜路に深山路かけて、知らない他国に※うことはまた、来る年の
首途にしよう。帰り風が颯と吹く、と身体も寒くなったと云う。私もしきりに胸騒ぎがす....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
さらさら。スウーと歯ぜせりをしながら、 「天気は極上、大猟でげすぜ、旦那。」 「
首途に、くそ忌々しい事があるんだ。どうだかなあ。さらけ留めて、一番新地で飲んだろ....
「古狢」より 著者:泉鏡花
月六日の夜であった。明直にいえば、それが、うぐい亭のお藻代が、白い手の幻影になる
首途であった。 その夜、松の中を小提灯で送り出た、中京、名古屋の一客――畜生め....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、ばたばたと前へ立ち、炎燃ゆ、と緋のちらめく袖口で音なく開けた――雨戸に鏤む星の
首途。十四日の月の有明に、片頬を見せた風采は、薄雲の下に朝顔の莟の解けた風情して....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
いながら、あすは戦地に赴く身の、再び見、再び聞き得べき声にあらねば、意を決したる
首途にも、渠はそぞろに涙ぐみぬ。 時に椽側に跫音あり。女々しき風情を見られまじ....
「わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
明けきらぬ丘へ登つた。 「ヒエロニモよ。お前は大坂や京や江戸の町へ、商ひのために
首途につく。だが、ヒエロニモよ。よく考へてみるがよい。お前はなぜ商ひにでかけるの....
「耳無芳一の話」より 著者:小泉八雲
の戦の歌を謡うと鬼神すらも涙をとどめ得なかったという事である。 芳一には出世の
首途の際、はなはだ貧しかったが、しかし助けてくれる深切な友があった。すなわち阿彌....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
、最初の日の記述の中から、次の一章を拾い上げることができた。 ――ウルリーケが
首途の贈り物に、「ニーベルンゲン譚詩」をもってした真意は、判然としないが、彼女は....
「月世界競争探検」より 著者:押川春浪
うな小説的の記事を読んで、満都の人々は非常な好奇心と同情を持って、今日の二勇士の
首途を見んと、四方から雪崩のごとく押しよせて、すでにその日の九時頃には、さしもに....
「変な恋」より 著者:小酒井不木
女はマッフの中に怖ろしい毒薬の瓶をたずさえていた。彼女はいよいよ出発するに当って
首途を祝うために祝盃をあげようではないかと言い出し、自ら立って戸棚から一個の盃と....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
大尉で若死にしてしまった。福島大将と同時代であったそうだ。)二葉亭は運悪く最初の
首途に失敗なってしまったが、首尾よく合格して軍人となっても狷介不覊の性質が累をな....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
かり憂鬱になってしまった。 「どうぞ、切符をどっさりはいて頂戴、舞踊界へ入る私の
首途を祝福して、成功を祈って下さい。当日は是非お二方様お揃いで御見物のほどを――....