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「香り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

香りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
きな花がみるみる蕾《つぼみ》の弱々しさから日輪のようにかがやかしく開いた。清逸は香りの高い蕊《しべ》の中に顔を埋めてみた。蒸《む》すような、焼くような、擽《くす....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
は一尺四、五寸しか離れない。おとよさんは少し化粧をしたと見え、えもいわれないよい香りがする。平生白い顔が夜目に見るせいか、匂いのかたまりかと思われるほど美しい。....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
女房 めした竜馬は風よりも早し、お道筋は黄金の欄干、白銀の波のお廊下、ただ花の香りの中を、やがてお着きなさいます。 美女 潮風、磯の香、海松、海藻の、咽喉を刺....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
うな閃光が、ぱぱぱぱッと連続して光った。防空壕は、船のように揺れた。そして異様な香りのある煙が、侵入してきた。がらがらと壁が崩れる音、電灯は、今にも消えそうに点....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
てみるが、内地の蜜柑と変りのない外観をしている。そこで皮をむいた。ぷうんと蜜柑の香りがした。一房ちぎって口の中へほうりこんだ。甘酸っぱい汁――たしかに地上でおな....
」より 著者:池谷信三郎
下で、溌溂と動いている少女の姿が、世界じゅうの無数のスクリンの上で、果物と太陽の香りを発散した。東洋人独特の淑やかさはあり、それに髪は断ってはいなかったが、シイ....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
どりの指をやさしくからみあっていました。かわいらしい半裸体のこどもらが、道ばたの香り高い月桂樹の林のなかで、まっ黒なぶたの群を飼っていました。もしこの景色をその....
野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
しらえさせて、よりぬきのきれいなむすめたちに踊らせました。そうして、エリーザは、香りの高い花園をぬけて、きらびやかな広間に案内されました。けれどもそのくちびるに....
雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
。 さて、ゲルダは花ぞのにあんないされました。――そこは、まあなんという、いい香りがあふれていて、目のさめるように、きれいなところでしたろう。花という花は、こ....
」より 著者:秋田滋
る悪気がむうッとあがって来て、わたくしの顔を撫でました。ああ、彼女の床には菖蒲の香りが馥郁と漂っていたのでありますが――。しかし、わたくしは棺を開けました。そし....
初雪」より 著者:秋田滋
なった。カンヌへ来て、彼女は久しぶりで太陽をふり仰いだ。海を眺め、オレンヂの花の香りを胸一ぱい吸った。 やがて春が廻って来た。彼女はまた北国へ帰って行った。 ....
」より 著者:上村松園
っていい。 しかし伝統の日本髪の歴史はながいから、まだ若い女性の内部には、その香りが残っていると見えて、お正月とか節分、お盆になると、ふるさとの髪、日本髪を結....
余齢初旅」より 著者:上村松園
で一同を導いてゆかれるのであった。そこにもまた黄菊、白菊が咲き乱れてまことによい香りをはなっていたが、ここらがよろしかろうというので、そこで皆が並んで写真を撮影....
棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
う気持ちで描いたことは一度もない。 一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香り高い珠玉のような絵こそ私の念願とするところのものである。 その絵をみている....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
き、英盆川のほとりに沙翁の跡を訪ねた。依然として三百年前の遺跡が存し、筆跡はなお香りたって故屋に満ちる思いがした。) 十八日、晴れ。理学の泰斗ニュートンの誕生....