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「香る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

香るの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
らして、匂やかな風情の四肢五体、凛然として今や香気を放ち、紫紺絖小姓袴に大振袖の香るあたり、厳寒真冬の霜の朝に咲き匂う白梅のりりしさも、遠くこれには及ばない程の....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の雑木である。春はすみれ、蒲公英が何時の間にか黙って咲いて居る。夏は白い山百合が香る。蛇が墓石の間を縫うてのたくる。秋には自然生の秋明菊が咲く。冬は南向きの日暖....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
(六月×日) 淋しく候。くだらなく候。金が欲しく候。北海道あたりの、アカシヤの香る並樹道を一人できままに歩いてみたいものなり。 「もう起きましたか……」 珍....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
頬を、雪之丞の横がおに、擦りつけるようにするのだ。 梅花のあぶらが、なつかしく香るのが、雪之丞には却って胸苦しい。 「と、言って、それはあんまりな押しつけわざ....
放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
く候。 くだらなく候。 金が欲しく候。 北海道あたりの、アカシアのプンプン香る並樹舗を、一人できまゝに歩いてみたい。 「起きましたか!」 珍らしく五十里....
古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
つのまにかそれを包んでしまう。―― 山の裳裾の広い原に 麦は青々とのび 菜の花は香る、 その原なかの一すじ道 塔の見える当麻の寺へ。 れんげたんぽぽ柔らかげ....
西航日録」より 著者:井上円了
夏装。 (雨一過して春風のなか野のつつみに入る。濃いかすみに水ぬるみ、多くの花が香る。寒暖のくりかえすこと、なんと落ちつきもなく、昨日は冬衣、そして今日は夏の装....
茶美生活」より 著者:北大路魯山人
て、まず間違いはあるまい……。 かかる理由のもとに、今後のプロは古人の心の高く香るお茶なるものにはすこぶる縁遠いところに立つの他はない。」 語り終わるかおわ....