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香を
「香を〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
香をの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
下には宙に吊《つ》った、小さな木鶴《もっかく》の一双《ひとつが》いが、煙の立つ線
香を啣《くわ》えている。窓の中を覗いて見ると、几《つくえ》の上の古銅瓶《こどうへ....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
拾ったと思うと、金将軍へそれを投げ打ちにした。不意《ふい》を打たれた金将軍は桂月
香を小腋《こわき》に抱えたまま、高い梁《はり》の上へ躍り上った。が、行長の投げつ....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
の事は後《のち》になっても、和尚贔屓《おしょうびいき》の門番が、樒《しきみ》や線
香を売る片手間《かたでま》に、よく参詣人へ話しました。御承知かも知れませんが、日....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
であることに盲目である。同時代はその為に天才を殺した。後代は又その為に天才の前に
香を焚《た》いている。
又
民衆も天才を認めることに吝《やぶさ》かで....
「或る女」より 著者:有島武郎
瞬間にはっと驚いたような顔をして立ちすくんでしまった。
香水や、化粧品や、酒の
香をごっちゃにした暖かいいきれがいきなり古藤に迫ったらしかった。ランプがほの暗い....
「或る女」より 著者:有島武郎
一抱《ひとかか》え分もいけられていて、空気が動くたびごとに仙人《せんにん》じみた
香を漂わした。その
香をかぐと、ともするとまだ外国にいるのではないかと思われるよう....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
人二人動いていた。大抵は市街地に出て一杯飲んでいたのらしく、行違いにしたたか酒の
香を送ってよこすものもあった。彼れは酒の
香をかぐと急にえぐられるような渇きと食欲....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
垂れ下った旗や旒を静かになぶった。クララはふと眼をあげて祭壇を見た。花に埋められ
香をたきこめられてビザンチン型の古い十字架聖像が奥深くすえられてあった。それを見....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ちお寺をたくさん造った時代、つまり立派なお寺を建て、すばらしい仏像を本尊とし、名
香を薫じ、それに綺麗な声でお経を読む。そういう仏教芸術の力によって満足を得て行こ....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
一ならびの塀の内に、桃、紅梅、椿も桜も、あるいは満開に、あるいは初々しい花に、色
香を装っている。石垣の草には、蕗の薹も萌えていよう。特に桃の花を真先に挙げたのは....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
赤くその皺の中へさし込んだが、日和下駄から消えても失せず、片手を泳ぎ、片手で酒の
香を嗅分けるように入った。 「聞えたか。」 とこの門附は、権のあるものいいで、....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
しくも文学者たるべきものの、紅玉、緑宝玉、宝玉を秘め置くべき胸から、黄色に焦げた
香を放って、手を懐中に暖めたとあっては、蕎麦屋の、もり二杯の小婢の、ぼろ前垂の下....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
はいつしかうっとりとして了いました。 『もしもし梅の精さん、あなたは何とまあ良い
香を立てていなさるのです……。』 そう言いながら、私は成るべく先方を驚かさない....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
パイがいくらでもつくれそうである。やがて彼が馥郁とかおる麦畑に通りかかり、蜂蜜の
香を吸いこみながら見わたすと、うっとりするような期待が彼の心に忍びこんで、うまい....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
、――島田髭に結って、二つばかり年は長けたが、それだけになお女らしい影を籠め、色
香を湛え、情を含んだ、……浴衣は、しかし帯さえその時のをそのままで、見紛う方なき....