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「香合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

香合の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
紫陽花の青い花に、玉の丸火屋の残燈を包んで載せて、中の棚に、香包を斜めに、古銅の香合が置いてあって、下の台へ鼻紙を。重しの代りに、女持の金時計が、底澄んで、キラ....
不審庵」より 著者:太宰治
はあまり大袈裟すぎるので、いまは、はやらない。溜息だけでよいのである。それから、香合をほめる事などもあって、いよいよ懐石料理と酒が出るのであるが、黄村先生は多分....
青磁のモンタージュ」より 著者:寺田寅彦
秋の感覚がにじんだ。あまりにさびしすぎて困るかもしれない。 青磁の香炉に赤楽の香合のモンタージュもちょっと美しいものだと思う。秋の空を背景とした柿もみじを見る....
落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
な私は父の机のそばにむっつり坐りました。十五六ばかりの品物が記されました。硯石や香合。白磁の壺、掛軸や色紙。セーブルのコーヒセット、るり色の派手なもので私の嫁入....
源氏物語」より 著者:紫式部
房は選ばれた少数の者であった。式用の小道具を精巧をきわめて製作させた中でも、特に香合の箱の形、壺、火入れの作り方に源氏は意匠を凝らさせていたが、その壺へ諸所でで....
日記」より 著者:宮本百合子
たが、もうおそくなったので、中通りの古道具屋へ行って見る。と、白い小さい鶴の子の香合があった。丸い、素朴な、こっくりとした陶器の仕上げを見て居ると、芸術が共通に....
書記官」より 著者:川上眉山
からいいわ。それからその前お茶の手前が上がったとおっしゃって、下すったあの仁清の香合なんぞは、石へ打つけて破してしまうからいいわ。 善平はさらに掛構いもなく、....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
さ、姫瓜、烏瓜ぐらいなのから、小さなのは蚕豆なるまで、品には、床の置もの、香炉、香合、釣香炉、手奩の類。黄金の無垢で、簪の玉を彫んだのもある。地金は多くは銀だが....
周防石城山神籠石探検記」より 著者:喜田貞吉
山にもあって、寺として珍らしいものでは無いが、雷山にかつて神護院があって、境内に香合石のあることを思うと、ここの石城山神護寺も、もとは「コウゴジ」と読んで、所謂....