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香木
「香木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
香木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
始め、金の鎧《よろい》だの、銀の兜《かぶと》だの、孔雀《くじゃく》の羽の矢だの、
香木《こうぼく》の弓だの、立派な大将の装いが、まるで雨か霰《あられ》のように、眩....
「あやかしの鼓」より 著者:夢野久作
の玉に使われているような気になって磨き上げた廊下をあるいて行った。 奥の座敷は
香木の香《か》がみちみちてムッとする程あたたかかった。しかし未亡人は居なかったの....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
ナイ。私から先だ私から先だ。私は美《い》い香気《におい》が嗅《か》ぎたい。花だの
香木だのの芳香《におい》が嗅ぎたい。早く早く」 と叫んだ。すると直ぐ横に居たク....
「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」より 著者:宮本百合子
。その殉死の理由は、それから三十年も昔、主命によって長崎に渡り、南蛮渡来の伽羅の
香木を買いに行ったとき、本木《もとき》を買うか末木《すえき》を買うかという口論か....
「源氏物語」より 著者:紫式部
公私とも閑暇な季節に、源氏は薫香の調合を思い立った。大弐から贈られてあった原料の
香木類を出させてみたが、これよりも以前に渡って来た物のほうがあるいはよいかもしれ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
褓などに目だたぬ華奢の尽くされてあるのも、よく見ればわかるのであった。父宮へも浅
香木の折敷、高坏などに料理、ふずく(麺類)などが奉られたのである。女房たちは重詰....
「夢の卵」より 著者:豊島与志雄
、今度は卵がかえるのを待ちました。銀の籠《かご》を国王から作ってもらい、その中に
香木《こうぼく》の屑《くず》で作った巣を入れ巣の中に黄金《おうごん》の卵《たまご....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
させるやら、白孔雀を何羽も放し飼いにするやら、玉を集めるやら、錦を縫わせるやら、
香木の車を造らせるやら、象牙の椅子を誂えるやら、その贅沢を一々書いていては、いつ....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
櫓、狭間作りの鉄砲|檣! 密貿易の親船だ! 麝香、樟脳、剛玉、緑柱石、煙硝、氈、
香木、没薬、更紗、毛革、毒草、劇薬、珊瑚、土耳古玉、由縁ある宝冠、貿易の品々が積....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
南蛮船が来航し、次で和蘭陀からも遣って来る。支那との交通はもとよりのことである。
香木の伽羅を手に入れることで、熊本の細川家と仙台の伊達家との家臣が争っている。こ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
箱、宝石を充たした銀製の箱、さまざまの形の古代仏像、青銅製の大香炉、香を充たした
香木の箱、南蛮人の丸木船模型、羅針盤と航海図、この頃珍らしい銀の時計、忍び用の龕....
「興津弥五右衛門の遺書」より 著者:森鴎外
にせり合い、次第に値段をつけ上げ候。 その時横田|申候は、たとい主命なりとも、
香木は無用の翫物に有之、過分の大金を擲ち候事は不可然、所詮本木を伊達家に譲り、末....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
。それから、右手の護摩木長さ一尺二寸、幅三指の――紫剛木、旃壇《せんだん》木、楓
香木、菩提樹を取って、炉の中へ積上げ、その上に、小さい杓で、薫陸《くんろく》香、....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
な匂いである。 この家の主人の気質は、手紙の文脈からも、だいたい察しられたが、
香木五十八種の中にもないような、こんな珍らしい香を惜しげもなく焚《た》きしめると....
「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」より 著者:森鴎外
互にせり合い、次第に値段をつけ上げ候。 その時相役申候は、たとい主命なりとも、
香木は無用の翫物に有之、過分の大金を擲ち候事は不可然、所詮本木を伊達家に譲り、末....