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香染
「香染〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
香染の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
静かに寝入っている!
「いよいよこの小倅《こせがれ》は唯者ではない。」
清正は
香染《こうぞ》めの法衣《ころも》に隠した戒刀《かいとう》の※《つか》へ手をかけた....
「独身」より 著者:森鴎外
して廃して、鼻をくんくんと鳴らす。竹が障子を開けて何か言う声がする。 間もなく
香染の衣を着た坊さんが、鬚の二分程延びた顔をして這入って来た。皆の顔を見て会釈し....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
り来た。 「おじい、もういいか、大丈夫かよ。」 「うむ、見せえ、大智識さ五十年の
香染の袈裟より利益があっての、その、嫁菜の縮緬の裡で、幽霊はもう消滅だ。」 「幽....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
や、うんが面白くて、いい気になって高音《こうおん》にうたった。 そのうちに、
香染《こうぞめ》の衣を着た、青白い顔の、人気のあった坊さんが静々と奥院の方から仄....
「源氏物語」より 著者:紫式部
た。 蓮葉を同じうてなと契りおきて露の分かるる今日ぞ悲しき 硯に筆をぬらして、
香染めの宮の扇へお書きになった。宮が横へ、 隔てなく蓮の宿をちぎりても君が心やす....
「源氏物語」より 著者:紫式部
るべく目につかぬようにこの室の東のほうには屏風を立て、中央の室との仕切りの所には
香染めの几帳を置いて、目に立つ巻き絵物などは避けた沈の木製の二段の棚などを手ぎわ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、むら生える枯尾花に靡く時、またぽつりぽつりと小雨が掛ると。――当寺の老和尚が、
香染の法衣をばさばさと音さして、紫の袈裟を畳んだままで、肱に掛けた、その両手に、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
なかお会いの折とてないので、後宇多法皇にも、とつ、おことばも、すぐにはなかった。
香染のおん衣、おなじ色のみ袈裟、まき絵の袈裟|筥をそばにおかれ、寝殿中央に御座あ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
師賢は、轅越しに、近々と何事か承っていたが、やがてのこと、み手ずから賜わった
香染の羅衣と、蒔絵の細太刀を拝して、こなたの群れのうちへ退がって来た。 「ご決断....