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「香車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

香車の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
思うんだが、どうかね。おたくの観察は……」 「そりゃ、てっきりですよ」 京吉は香車で歩を払うように、簡単に言った。 「――女って、だらしがねえからな。いつ逃げ....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
リパチクリやっておったが、時刻は夜半の零時か零時半頃であったろう、吾輩はなんでも香車か桂馬をばパチリッと盤面に打下《うちおろ》そうと手を伸ばした途端である。不意....
こころ」より 著者:夏目漱石
、若い私の気力はそのくらいな刺戟《しげき》で満足できなくなった。私は金《きん》や香車《きょうしゃ》を握った拳《こぶし》を頭の上へ伸ばして、時々思い切ったあくびを....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
、 「日来武に誇り、本所を無する権門高家の武士共いつしか諸庭奉公人と成、或は軽軒香車の後に走り、或は青侍格勤の前に跪く。世の盛衰、時の転変、歎ずるに叶はぬ習とは....
勝負師」より 著者:織田作之助
めて米一合の持駒でもつくろうとその時思ったが、けれど出来ずにやはり将棋一筋の道を香車のように貫いて来た、その修業の苦しさが子供の泣き声を聴くたびピシャリと坂田の....
夜光虫」より 著者:織田作之助
は諦めて、係員に言った。 「――チケットなしでも渡して貰えますか」 「渡せんな」香車で歩を払うような、ぶっ切ら棒な返事だった。 「預けた品はわかってるんですが…....
夜の構図」より 著者:織田作之助
。忘れちゃ困りますよ」 「何が……ですか」 「八時、三三三号室!」 ずばりと、香車で歩を払ってしまうような声だった。 「…………」 えっ……とききかえす声も....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
、紀州へ使いさせたのは、そのための用意であった。しかし屋島平家も、同様に、桂馬や香車の性能をつかって、たやすく角スジを譲るような不覚はしない。そこで「謀」と「謀....