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馬上
「馬上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
馬上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
、さながら霜を置いたようにうす白《じろ》い。彼は、乱れた髪を微風に吹かせながら、
馬上に頭《こうべ》をめぐらして、後《しりえ》にののしり騒ぐ人々の群れを、誇らかに....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
の将校は悠々と、彼等の側へ通りかかった。軍司令官! 騎兵は田口一等卒と一しょに、
馬上の将軍を見上げながら、正しい挙手の礼をした。
「露探《ろたん》だな。」
将....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
鎖山《そうさざん》」の女主人公金定等は悉《ことごとく》こう言う女傑である。更に「
馬上縁」の女主人公梨花を見れば彼女の愛する少年将軍を
馬上に俘《とりこ》にするばか....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
人力車と競走《かけっくら》をして、石動《いするぎ》手前からおまえさんに抱かれて、
馬上《うま》の合い乗りをした女さ」 「おお! そうだ」横手《よこで》を拍《う》ち....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
れは御城下はずれ、群鷺山の地主神の宮に飾ってあった。二代以前の当城殿様、お鷹狩の
馬上から――一人|町里には思いも寄らぬ、都方と見えて、世にも艶麗な女の、一行を颯....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
です。私にも分らない。しかし事情も違う。彼を迎える、道中のこの(また姿見を指す)
馬上の姿は、別に不祥ではあるまいと思う。 僧都 唯今、仰せ聞けられ承りまする内に....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
の坊主が、馬に、ひたと添い、紺碧なる巌の聳つ崕を、翡翠の階子を乗るように、貴女は
馬上にひらりと飛ぶと、天か、地か、渺茫たる広野の中をタタタタと蹄の音響。 蹄を....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
少しく汗ばんで、玉洗えるがごとき頬のあたりを、さらさらと払った葉柳の枝を、一掴み
馬上に掻遣り、片手に手綱を控えながら、一蹄三歩、懸茶屋の前に来ると、件の異彩ある....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
い一つの山の裾をめぐって行くのですが、その日は折よく空が晴れ上っていましたので、
馬上から眺むる海と山との景色は、まるで絵巻物をくり拡げたように美しかったことを今....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
たのは弁慶で、争って騎ろうとする。揉みに揉んで、太刀と長刀が左右へ開いて、尺八が
馬上に跳返った。そのかわり横田圃へ振落された。 ただこのくらいな間だったが――....
「取舵」より 著者:泉鏡花
潟だから、誰だッて漕げるさ、けれどもね、その体度だ、その気力だ、猛将の戦に臨んで
馬上に槊を横えたと謂ッたような、凛然として奪うべからざる、いや実にその立派さ、未....
「座右第一品」より 著者:上村松園
文進の花鳥の側に二歳か三歳の松篁が這い廻っていましたり、仇英の楼閣山水の隣りに、
馬上の橋本関雪さんが居られたりします。 この関雪さんの姿は明治三十六年頃と思い....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
かと思えば夢の様でもあり、ない様でもある。 それから間もなく、ルパシカに長靴、
馬上ゆたかにと云うのかどうかしらないが威風堂々とゆられつつ、謡いつつの奇妙な新聞....
「西航日録」より 著者:井上円了
街いたるところにヤソ像を安置し、その前を来往するもの貴賤を問わず、車中にありても
馬上にありても、必ず礼拝して過ぐ。その状態は、あたかも今より三、四百年前の、欧州....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
度なり。 二十一日、晴れ。暑気強く八十三度以上にのぼる。午前、平野氏の案内にて
馬上にまたがり、耕地コーヒー園を一巡す。目下採収期にして、日本人老若男女ともにこ....