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馬券
「馬券〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
馬券の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「競馬」より 著者:織田作之助
走《レース》が続くと、もう誰《だれ》もかれも得体の知れぬ魔に憑《つ》かれたように
馬券の買い方が乱れて来る。前の晩自宅で血統や調教タイムを綿密に調べ、出遅《でおく....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
まないような顔つきでもある。どこへ落としたんだと聞くと、なに落としたんじゃない。
馬券《ばけん》を何枚とか買って、みんななくなしてしまったのだと言う。三四郎もこれ....
「我が馬券哲学」より 著者:菊池寛
次ぎに載せるのは、自分の
馬券哲学である。数年前に書いたものだが、あまり読まれていないと思うので再録するこ....
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
た事があるのかい」 「そんなことありませんわ。これだけ五人でお給金を貯めて上海の
馬券を買って、スッカラカンになったことがあるだけですよ」 「イヤ、これはどうもオ....
「上海の渋面」より 著者:豊島与志雄
賭博場は日本人には禁止の場所であるが、日本人が多少出入しているハイアライなどで、
馬券よりも遙かに小額のその券を買って、あらわに喜んだり悄気たりしてるのは大抵日本....
「「壇」の解体」より 著者:中井正一
であろう。句読の鋭角性への試験、新しい音韻函数への企図などいくらでもある。麻雀と
馬券であくびしているほどのことはない。心理描写の領域だって、もう象徴主義の時代で....
「実践について」より 著者:中井正一
りに、人間が、レース・コースの中にあらわれたのである。そして馬がスタート切るや、
馬券表の高台に上って、また民主選挙が何であるかを説かなければならなかった。 京....
「競馬」より 著者:犬田卯
達は、何か幸運な、天から降って来るような「儲け仕事」をことに最近熱烈に要求した。
馬券を買うなどということもその一つの現れだった。世間がこんなに不景気にならない前....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
吉は思わずにやりとした。不気味な笑いだった。 「よし、今だ!」 信吉は競馬場の
馬券の発売口へ行く男のように、舞台裏から楽屋口の方へ出て行った。途端に信吉はドキ....
「上海」より 著者:横光利一
人も客も茫々として見えなくなった。蒸気の中からお柳の声が聞えて来た。 「あなたに
馬券分けようか。」 「もうプレミヤムがついてるんですか。」 「それや、つくさ。で....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
、黄とりどりな騎手の影に眼をこらしていた。そしてぼくらは一瞬のギャンブルに賭けた
馬券をみなポケットに入れて固唾をのんでいる。 しかし、このレース時間一分何秒ノ....
「競馬」より 著者:吉川英治
性を失う者は、実際の社会面でも、いつか、その弱点を、出す者にちがいない。 あの
馬券売場の前で、家庭を賭けたり、自分の信用や前途までを、アナ場へ、突ッこんでしま....
「俗即菩提」より 著者:吉川英治
へ移転させるだけでは、彼のほんとうの欲望が満足できなくなるにちがいない。スリも、
馬券を買って、的中した歓喜を穴場で味わいたくなるのだ。私はそう思う。 競馬の真....