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「馬市〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

馬市の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
馬ならば一匹いますが。」 「どこの馬かね?」 「徳勝門外《とくしょうもんがい》の馬市《うまいち》の馬です。今しがた死んだばかりですから。」 「じゃその馬の脚をつ....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
い失望の声が、黙りこくった農夫の姿から叫ばれた。 一刻の暇もない農繁の真最中に馬市が市街地に立った。普段ならば人々は見向きもしないのだが、畑作をなげてしまった....
高野聖」より 著者:泉鏡花
ひらりと出て、 (その馬はどこへ。) (おお、諏訪《すわ》の湖の辺《あたり》まで馬市へ出しやすのじゃ、これから明朝《あした》お坊様が歩行《ある》かっしゃる山路を....
藁草履」より 著者:島崎藤村
号という名高い種馬も入込みました。それから次第に馬匹の改良が始まる、野辺山が原の馬市は一年増に盛大になる、その噂さがなにがしの宮殿下の御耳にまで届くようになりま....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
なく、黒と書くのだそうです。御承知の通り、奥州は馬の産地で、近所の三春には大きい馬市が立っていたくらいですから、黒太夫の家にもたくさんの馬が飼ってありました。そ....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
号という名高い種馬も入込みました。それから次第に馬匹の改良が始まる、野辺山が原の馬市は一年増に盛んに成る、その噂さが某の宮殿下の御耳まで届くように成りました。殿....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
い空気の中で、上り下りの諸大名の通行もある。月の末には毎年福島の方に立つ毛付け(馬市)も近づき、各村の駒改めということも新たに開始された。当時幕府に勢力のある彦....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
いのことで小使いはその打ち合わせに来たのだ。 街道には、毛付け(木曾福島に立つ馬市)から帰って来る百姓、木曾駒をひき連れた博労なぞが笠と合羽で、本陣の門前を通....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
を誇ったころの平和な町ではない。剣術師範役|遠藤五平太の武技を見ようとして、毎年馬市を機会に諸流の剣客の集まって来たころの町でもない。まして、木曾から出た国家老....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
って来た士族出の大番頭たちは彼がいきなりの帰参を肯じない。毎年福島に立つ毛付け(馬市)のために用意する製薬の心づかいは言うまでもなく、西は美濃尾張から北は越後辺....
」より 著者:島崎藤村
ると、夏のような気はしませんね」 「平素はこの部屋は空いてる。お客でもするとか、馬市でも立つとか、何か特別の場合でなければ使用わない。お前さんと、直樹さんと、正....
かの女の朝」より 著者:岡本かの子
本の廃園に斯うまで彼処に似た処は他には無かろう。 廃墟は廃墟としての命もちつゝ羅馬市の空に聳えてとこしへなるべし。 かの女は自分が彼処をうたった歌を思い出して....
剣侠」より 著者:国枝史郎
訳がございます。……ご承知のこととは存じますが、木曽福島には毎年|半夏至の候、大馬市がございまして、諸国から馬持や博労が集まり、いくらとも知れないたくさんの馬の....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
つからずして思わず笑うも、笑うべき山もない。) 里馬城頭望漠然、黄塵路与。 (里馬市より一望すれば広く果てしなく、黄塵の路は禿山につづく。一年中雨の林や谷をうる....
噴水物語」より 著者:岡本かの子
「それはヘロドトスの古|希臘伝説中の朴野な噴水からアグリッパの拵えた羅馬市中百五つの豪壮な噴水、中世の僧院の捏怪な噴水、清寂な文芸復興期の噴水、バロッ....