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「馬方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

馬方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
をすっかり頭巾《ずきん》で包んで、長い手綱で遠くの方から橇を操《あやつ》っている馬方は、寄り道をするようにしておせいを覗きこみに来た。幾人となく男女の通行人にも....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
なきがごとき面色《おももち》なりき。馭者は冷笑《あざわら》いて、 「なあに、高が馬方だ」 「けれどもさ、まことにおきのどくなことをしたねえ、いわば私のためだもの....
勝負事」より 著者:菊池寛
でも、まだ道楽が止められないで、それかといって大きい賭場には立ち回られないので、馬方や土方を相手の、小賭博まで、打つようになっていたそうです。それを、祖母やその....
蠅男」より 著者:海野十三
かネ、こう書いてくれたまえ。――蠅男ラシキ人物ガ三五六六五号ノ自動車デ宝塚ヨリ有馬方面へ逃ゲル。警察手配タノム、午後二時探偵帆村」 「なんや、ハエオトコて、どう....
たにしの出世」より 著者:楠山正雄
配なので、おとうさんがうしろからそっとついて行きますと、たにしの子は馬の上から、馬方のするとおりかけ声ひとつで、きように馬を進めて行きました。林の曲り角やせまい....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
塚の場末の――俥がその辻まで来ると、もう郡部だといって必ず賃銀の増加を強請る――馬方の通る町筋を、奥へ引込んだ格子戸わきの、三畳の小部屋で。……ああ、他事ながら....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
みながら、せっせと小僧に手伝わして、しきりに紙を貼っているのがある。通りがかりの馬方と問答する。「おいらは留めようと思ったが、この景気じゃあ、とても引込んでいら....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
へ出ぬという権高者、なるほどお前も歌にかけたら、街道筋では名高いが、身分は劣った馬方風情、どうして懇意になったものか、不思議なことと人もいえば、このおいらもそう....
剣侠」より 著者:国枝史郎
「この女だ、それ担げ!」 ムラムラと寄ったのに驚いた藤作、 「こいつらア……馬方め……八五郎もか! ……また来やがったか、汝懲りずに」 喚いて脇差を引っこ....
奇巌城」より 著者:菊池寛
せてやりましょう。」 二人は種々と考えをめぐらし、支度を整えた。バルメラ男爵は馬方に、ボートルレは椅子直しに変装した。二人の他にボートルレの学校の友達が二人、....
山の湯の旅」より 著者:上村松園
した。 この男は土地の百姓には違いないのですが、かなり有福に暮らしていて、何も馬方などをしなくても生活してゆける身分だそうですが、生活は有福だからとて、遊んで....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
せんが、あなたがお越しになるならば私はこの馬を牽いて来た人に吩咐けますから、この馬方と一緒に行かれるがよかろう。」「なぜあなたは自分の家にお帰りにならんですか。....
子供の時分の話」より 著者:小川未明
れるとひどいめにあいますから、ここから帰りますよ。坊ちゃんは、いまあっちからくる馬方に頼んであげます。」と、女はいって、ガラガラと馬に車を引かせてきた馬方に、な....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
た味がちがっていい。」 「信濃の追分というと。」 「あれこそ追分の本元でしょう。馬方節なのですね。西は追分東は関所せめて峠の茶屋までも。あれです。」 「すると、....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
いて、黒薙谷の二見温泉を引いたものである。新築の二階建で甚だ気持がいい。此夜は白馬方面に電光の閃くのを見たが、里の光は冴えていた。但海の方は暗いので翌日の天気が....