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馬橇
「馬橇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
馬橇の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鰊漁場」より 著者:島木健作
も溶けてしまうような淡雪だった。そこにも春の近さが感じられた。――街道を行きかう
馬橇引や、買物に出て来たらしい百姓たちはいくどかまぶしそうに空を仰いだ。源吉はう....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
本道のほうへ帰って行った。はるか向こうを見ると山から木材や薪炭を積みおろして来た
馬橇がちらほらと動いていて、馬の首につけられた鈴の音がさえた響きをたててかすかに....
「旅愁」より 著者:横光利一
から雪崩れ落ちる雪の音の聞える路が長く、揺れ動く敷板の固さに腰骨が痛んだ。途中で
馬橇に出会うと、路を除けあうのにこれがまた時間がかかった。矢代は押しつけて来る山....
「モスクワ印象記」より 著者:宮本百合子
タンの番小屋のきのこ屋根も白くこおっている。 ――ダワイ! ダワイ! ダワイ!
馬橇が六台つながって、横道へはいってきた。セメント袋をつんでいる。工事場の木戸内....
「子供・子供・子供のモスクワ」より 著者:宮本百合子
女が最も有益に利用出来るためである。 モスクワ河が凍って、その上を絶間なく人や
馬橇が通っていた。氷の穴から釣糸を垂れている者がある。黒い外套の裾からいろんな色....
「一九二五年より一九二七年一月まで」より 著者:宮本百合子
、小さいとげのある枝。家々の煙突。 犬の引く小さい運搬用橇 石炭をつんでゆく
馬橇 女のカクマキ姿 空、晴れてもあの六七月頃の美しさなく、煙突から出る煤で....
「氷河」より 著者:黒島伝治
にまかせて、知らん顔をしていた。…… 七 鈴をつけた二十台ばかりの
馬橇が、院庭に横づけに並んでいた。負傷者の携帯品は病室から橇へ運ばれた。銃も、背....
「飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
の交通不便の山地であるという。鉄道はなし、道路も山地の凸凹道で、トラックは勿論、
馬橇もろくに通れない部落が多い。この地方は、水田が殆んどないので、平年でも、畑作....
「国境」より 著者:黒島伝治
界の寒気と氷の夜の風景が、はっきりと窓に映ってきた。 河を乗り起してやってくる
馬橇が見えた。警戒兵としての経験からくるある直感で、ワーシカは、すぐ、労働組合の....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
くては運び出せない。雪が十分深く積ると、夏の間は足も入れられないような山奥までも
馬橇が通うようになって、一抱《ひとかかえ》も二抱もある材木が、案外容易に運び出さ....
「雪の十勝」より 著者:中谷宇吉郎
ので、その方の準備もまた相当な騒ぎである。全部で百貫位のこれらの荷物を三、四台の
馬橇《ばそり》にのせて五時間の雪道を揺られながら、白銀荘へ着くのはいつも日がとっ....
「雪雑記」より 著者:中谷宇吉郎
日は仕方がないからスキーをやろうという案なのである。駅から五|里《り》の雪道を、
馬橇《ばそり》で顕微鏡だの写真用器具だの食料品だのを運ぶのは大仕事であったが、計....