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「馬糧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

馬糧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
の行《や》っているような仕事に活動してみたいとも思った。その爺さんは、近頃陸軍へ馬糧などを納めて、めきめき家を大きくしていた。実直に働いて来た若いものにくれてや....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
分の耕した畑の広さを一わたり満足そうに見やって小屋に帰った。手ばしこく鍬を洗い、馬糧を作った。そして鉢巻《はちまき》の下ににじんだ汗を袖口《そでぐち》で拭《ぬぐ....
名君忠之」より 著者:夢野久作
立ち兼ねて参りまする。ドサクサ紛れに今二三十万石、どこからか切取らねばこのお城の馬糧に足らぬ。手柄があっても加増も出来ぬとあれば、当藩士の意気組は腐るばっかり。....
私たちの建設」より 著者:宮本百合子
が成し遂げて行くかということを競争させられたし、農村における軍需食糧の供出は、又馬糧その他の供出は、都会に生活している婦人が察しもつかない程猛烈なものであった。....
」より 著者:森鴎外
人の米櫃に一しょに入れて置くという事実である。虎吉の給料には食料が這入っている。馬糧なんぞは余り馬を使わない司令部勤務をしているのに、定則だけの金を馬糧屋に払っ....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
してその糧食の供給に苦しみ、所在掠奪をほしいままにして、はては農民の青麦を刈りて馬糧に供するに至ったので、たちまちにして上下の怨府となった。法皇は頼朝の来ってこ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
んだろ」 「まだいるらしいよ」 「一年も二年も泊っているとうれしいんだけど……」馬糧小屋の馬糧の中へ、二人は仰向けになって転がった。手と手だけは繋いでいた。体が....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
動とはおよそどんなものかということは、彼自身も、柳生の庄の旅籠屋の小茶ちゃんと、馬糧小屋の藁の中でなんという理もわからずに悶掻き合った体験がある。 その体験か....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
それは、大和の柳生の庄のはたご屋に泊った時、はたごの小茶ちゃんという少女と、馬糧小屋のわらの中で、抓ったり、かじりついたりして、ただ狆ころのように、人の跫音....
三国志」より 著者:吉川英治
」 「怪し火だ!」 銭糧倉から、また、矢倉下から、書楼の床下から、同時にまた、馬糧舎からも、諸門の番人が、いちどに喚き出した。 城将の太史慈は、 「さわぐな....
三国志」より 著者:吉川英治
平来!」 土民が彼を謳歌したことはいうまでもない。ために彼の軍はその後、兵糧や馬糧にも困らなかったし、しばしば土民から有利な敵の情報を聞くこともできた。 敵....
三国志」より 著者:吉川英治
き暗がりでささやき合っていた。 「ぬかるな。……丑の刻だぞ」 「心得た。おれが、馬糧小屋をはじめ諸所へ火をつけて廻るから、おめえは、謀叛人だ、裏切者だ、と呶鳴っ....
三国志」より 著者:吉川英治
」 七、八百の兵をならべて命じた。 「貴様たちはこれから鎌を持って山路を尋ね、馬糧の草を刈ってこい。なるべく巴城の裏山に面した所の奥深い山の草を刈って参れ」 ....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
った。源平時代にはまだ後世いうところの城郭などは、なかったのである。一ノ谷には、馬糧や兵糧の貯備倉ぐらいはあったかもしれない。それを江戸時代に刊行された源平盛衰....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
に至って作戦に甚だしい妨害をしたのである。それ以来反動として極端に住民を愛護し、馬糧以外は概して倉庫より給養する事となった。 傭兵の逃亡を防ぐためにも給養は良....