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馬腹
「馬腹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
馬腹の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
早く来いよ」 「何か用なの? 正勝《まっか》ちゃん」 紀久子はそう言うと同時に
馬腹にぐっと拍車を入れて、正勝のほうへ向けて馬を飛ばした。 「おれと一緒に来てく....
「雪の白峰」より 著者:小島烏水
爺、蝶、白馬、これらが信甲駿の空に聳えて、相応ずる姿、鏡花の『高野聖』に、妖女が
馬腹をくぐる時の文句に「周囲の山々は矗々《すくすく》と嘴《くちばし》を揃え、頭を....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
がして、傍らの捕り手が斜に構えていた六尺棒を手早く奪いとるや、さっと狙いをつけて
馬腹目ざしながら投げつけたのは咄嗟の早業の棒がらみです。――唸って飛んで栗毛の足....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
致し、囲を突きて走り、けだし赭丹《しゃたん》を有《も》って身に随《つ》く、赭丹は
馬腹中に産するところの物、これを用いて念呪すなわち風雨を致す〉と載せた赭丹も、蒙....
「シベリヤに近く」より 著者:里村欣三
ことは、日清日露の役にも経験したことがない。侮辱だ。わが陸軍の侮辱だ! 隊長は
馬腹に拍車を蹴込んだ。 「軍曹! つづけ。豚ども! 嫌でも応でも動かして見せるぞ....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
渉りて原野に出でたり。(今の伏古丹)。行く事十丁ばかりにして湿地あり、馬脚を没し
馬腹に至る。近傍の地には蘆を生じ、其高さは予が馬上にあるの頭を掩うあり。此れを過....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
いの人だから、馬はまるで人間の泥濘《ぬかるみ》へ嵌《は》まりこんだようなもので、
馬腹《はら》を蹴ろうが、鞭をくれようが、いっかなはかどりません。
わがまま者の....
「群集」より 著者:豊島与志雄
、逃げ惑っている人々の間を分けて馬を駆けさしてる兵士を、驚異の眼で見守っていた。
馬腹や足先で人の肩や帽子を擦過しながら巧みに疾駆し廻っている人馬は、よほどの熟練....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
った。ピッタリ馬背へ身を伏せたのは、手裏剣を恐れたためであって、「やっ」というと
馬腹を蹴った。馬は颯と走り出した。馬首は追分へ向いていた。月皎々たる芒原、団々た....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
に、ゆるい流も、押し寄せる荒海の波と相争って、煽られ、揉まるる水草は、たちまち、
馬腹に怪しき雲の湧くありさま。幾万|条ともなき、青い炎、黒い蛇が、旧暦五月、白い....
「三国志」より 著者:吉川英治
るだろう。 逃げまわった末、曹操は、城内|街の辻を踏み迷って、鞭も折れんばかり
馬腹を打って来た。するとまたもや前面にむらがっていた敵影の中から、カンカンカンカ....
「三国志」より 著者:吉川英治
止めた。 母の鹿が、射斃されると、その子鹿は、横っ跳びに逃げて曹叡の乗っている
馬腹の下へ小さくなって隠れた。曹丕は、声をあげて、 「曹叡、なぜ射ぬ。いやなぜ剣....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
郎っ」 高氏は、供へどなった。 「あとから来い」 癇しゃくをおこしたらしい。
馬腹を蹴ッた。馬は馬体を斜めにしつつ逸散に大和大路のかどを東へ曲がって行った。 ....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
り向いた。そして余りに傷々しい瞼をちらと見たので、彼はあとへ惹かれる心と反対に、
馬腹へ軽い鞭を当ててしまった。 太兵衛、久佐衛門、善助たちも、それに急かれて、....