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「馬蠅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

馬蠅の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
藪の中」より 著者:芥川竜之介
れては居りません。傷口も乾《かわ》いて居ったようでございます。おまけにそこには、馬蠅《うまばえ》が一匹、わたしの足音も聞えないように、べったり食いついて居りまし....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ているのです。マラリア、デング熱の病原蚊、睡眠病の蠅、毒蚋、ナイフのような吻の大馬蠅の Tufwao ああ、その大集雲! 悪魔の尿溜に、よしんば金鉱が隠されて....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
書けよ」 早「成程……お前の側を離れ申さず候か、成程情合だね」 久「えゝ、虻蚊|馬蠅屁放虫」 早「虻蚊馬蠅屁放虫」 久「取着かれたら因果、晩げえ私を松虫なら」 ....
マクシム・ゴーリキイの発展の特質」より 著者:宮本百合子
蚊のような彼等の痛みを観察しつつ」二十一歳になったマクシム・ゴーリキイは自分を「馬蠅の雲の中へ脚をとられた一匹の馬のように」感じるのであった。 折からカザン大....
薬草取」より 著者:泉鏡花
三晩寝ました。その内も、娘は外へ出ては帰って来て、膝枕をさせて、始終|集って来る馬蠅を、払ってくれたのを、現に苦みながら覚えています。車に乗った天女に抱かれて、....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
もう立派なものだ。」と言った時、※《さら》した古法帖《こほうじょう》の上に大きな馬蠅《うまばえ》が飛んで来たので、老人は立って追いながら、「過《あやまち》を改む....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
多くは、新曲輪の石垣工事にかかっているのである。伏見町はそのせいで、急に、売女と馬蠅と物売りが殖え、 「大御所様景気や」 と、徳川政策を謳歌した。 その上、....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ろ町」と呼ばれている辻の辺りから――馬の背が無数に並んでいる。 市へ近づくと、馬蠅と人間がわんわんいっている。関東|訛りの、あらゆる地方語で喚いているので、な....
三国志」より 著者:吉川英治
溝も腐臭。木陰にはいれば木陰にも腐臭。――そこに淋しき草の花は咲き、虻がうなり、馬蠅が飛んでいた。 馬蠅の世界も、彼らの世界も、なんの変りもなかった。――むし....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、 「どうしてくれる?」 とばかり、都のうちにふみとどまって、都じゅうを馬糞と馬蠅の巷となし、大刀、長柄を横たえ歩き、何か、事件こそ起れと、物騒な放言や火遊び....