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馬賊
「馬賊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
馬賊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒の追憶」より 著者:太宰治
飲みながら、やがてそのひとの、「国を出る時や玉の肌、いまじゃ槍傷刀傷。」とかいう
馬賊の歌を聞かされ、あまりのおそろしさに、ちっともこっちは酔えなかったという思い....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
、おれより下等なんだ。ちっと宗近国師の真似《まね》をするが好い」 「君は国師より
馬賊になる方がよかろう」 「外交官の
馬賊は少し変だから、まあ正々堂々と北京《ペキ....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
うような、複雑な微笑をした。これは、この地方の邦人達を慄え上らしているゴロツキの
馬賊上りだった。張宗昌の軍事顧問だ。 「ふむ。ふむ。」山崎はうなずいた。「俺れも....
「前哨」より 著者:黒島伝治
そして、給料も殆んど貰っていなかった。しかし、彼等には、やはり、話にきいた土匪や
馬賊の惨虐さが頭にこびりついていた。劣勢の場合には尻をまくって逃げだすが、優勢だ....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
寺の住職南天棒和尚の弟子に、東馬甚斎という居士があった。満洲に放浪していた頃は、
馬賊の群に交って、相応な働をしたと言われるほどあって、筋骨の逞しい、鬼のようにい....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
つて文部省の参事官であったといい、ある人は地方の長官であったといい、ある人はまた
馬賊の頭目であったともいう、真偽はわからぬがかれは熊谷の豪族の子孫であることだけ....
「雪のシベリア」より 著者:黒島伝治
た露西亜人が、毛皮の外套を着、銃を持って、こちらを見下しているのであった。それは
馬賊か、パルチザンに相違なかった。 小村は、脚が麻痺したようになって立上れなか....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
いた。 彼がここに道場をひらいたのは五六年前のことであるが、その前身に白頭山の
馬賊の頭目だという人もあれば、シナ海を荒した海賊だという人もある。 彼の住居と....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
だろうかな? 湖南も戦争だ。大連はやはり家賃が高い。察哈爾、吉林、黒竜江は――、
馬賊が出るというし、こいつもいけない!……」そこで、いくら考えてみても格別にこれ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
んは遠慮しがちな一二年の生徒たちまでが押しよせて来たが、その採点表の左の端には、
馬賊、チャップリン、かまきり、あざらし、おでん、花王石けん、長茄子、瓦煎餅、とい....
「雪女」より 著者:岡本綺堂
の笑い顔をみあげた。李太郎も眼をみはって堀部君の顔を見つめていた。 「ここらにも
馬賊はいるだろう。」と、堀部君は訊いた。 「
馬賊、おります。」と、李太郎はうなず....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
李中行 もう一人いたらしいが、先へ逃げてしまったのだ。 高田 此頃はここらへも
馬賊が入り込んで来たというから、こいつ等もその同類かも知れませんよ。 柳 (中二....
「春心」より 著者:田中貢太郎
がつぐんだ」 「ついでもいいが、乃公は、こんな狭い日本じゃだめだ、満州へ往って、
馬賊にでもなろうと思ってるのだ」 「満州なんかだめだよ、酒は高粱の酒で、喫うもの....
「アンケート」より 著者:大倉燁子
ほど簡単な気持にはなれません。 二、最近知ったある婦人から、嘗つてその人が満洲で
馬賊を働いていた時の話を聞きました。それがいかにもグロテスクで怪奇味があり興味が....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
したがって字も上手だろうとの至極明快な三段論法なのだ。親分は中肉中背、眼光は鋭く
馬賊の頭目みたいな男。赤裏の黒いマントなど羽織って、えらく威勢がいい。その直接の....