馬蹄[語句情報] » 馬蹄

「馬蹄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

馬蹄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
両京二十七坊の夜の底から、かまびすしい犬の声を圧してはるかに戞々《かつかつ》たる馬蹄《ばてい》の音が、風のように空へあがり始めた。…… ―....
将軍」より 著者:芥川竜之介
人の後《うしろ》にまわると、腰の日本刀を抜き放した。その時また村の方から、勇しい馬蹄《ばてい》の響と共に、三人の将校が近づいて来た。騎兵はそれに頓着《とんちゃく....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
《せいろめいび》、相貌《そうぼう》秀《ひい》でて尋常《よのつね》ならず。とかくは馬蹄《ばてい》の塵《ちり》に塗《まみ》れて鞭《べん》を揚《あ》ぐるの輩《はい》に....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
、明るい緑が涯もなく押し拡がってゆく。地峡は、草原の前方あたりで、小法師岳の裾を馬蹄形《かなぐつがた》に迂廻してゆき、やがては南佐久の高原中に消えてしまうのであ....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
やは水戸に丁寧に礼を述べて玄関口を閉め、それからアルコール漬の若旦那さまを担いで馬蹄形に曲った階段をのぼり、そして彼の寝台の上にまで届けたのであった。 ドレゴ....
深夜の市長」より 著者:海野十三
の土地払下案をはじめ一切の重要書類が影も形もなかった。その代り金庫の棚には大きな馬蹄形磁石が一つ、人を莫迦にしたように鎮座していた。――人々はウムと呻ったきり、....
柿色の紙風船」より 著者:海野十三
置いて、その中にラジウムを嵌めこむ方法も考えたが、ラジウムの偉力は、洋服の生地も馬蹄で作った釦も、これをボロボロにすることは、まったく同じことだった。――結局、....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
怪しい物音が、室内に今起りつつある光景をハッキリ物語っているのだった。 そこは馬蹄形の急な階段式机が何重にも高く聳えている教室であった。中央の大きな黒板に向い....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
間に無装飾の壁があるだけいっそう引き立って、まさに形容を絶した色彩を作っていた。馬蹄形に両肢を張った階段を上りきると、そこはいわゆる階段廊になっていて、そこから....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
の間じきのがらんとした部屋だった。手前の方に、会員のすわるための椅子が二十脚ほど馬蹄形《ばていがた》にならべてあった。正面の奥、つまり板ばりの壁の前に、電気死刑....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
い様子で、同じように爪さきを刻んでいると、空の鵄が暗号でもしたらしい、一枚びらき馬蹄形の重い扉が、長閑な小春に、ズンと響くと、がらがらぎいと鎖で開いて、二人を、....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
して、残りの三方は分厚な六分板で張り詰められ、それを、二つの大池をつなぐ池溝が、馬蹄形になって取り囲んでいる。更に堂の周囲を説明すると、池溝は右手の池の堰から始....
一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
ます。ヘミングウェー嬢は、この朝|高台公園の遊歩場へゆき、八時頃には、木蔭を縫う馬蹄の響が聴えてきました。 そこで私は、とって降した彼女の手をかるく握りますと....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
きな階段を登ると、左に準備室があって、その先きに大きな講堂がある。講堂には大きい馬蹄形の机があって、その後方に暖炉や黒板があり、壁には図面などが掛かるようになっ....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
った。教会へ行く路の一カ所に鞍が踏みつけられて、土にまみれているのが見つかった。馬蹄の跡は道に食いこんで、あきらかにものすごい速さで走ったらしく、橋のところまで....