馬蹄形[語句情報] » 馬蹄形

「馬蹄形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

馬蹄形の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
、明るい緑が涯もなく押し拡がってゆく。地峡は、草原の前方あたりで、小法師岳の裾を馬蹄形《かなぐつがた》に迂廻してゆき、やがては南佐久の高原中に消えてしまうのであ....
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
んだから」と藤原は快く、請け合ってくれた。ボーイ長は非常に喜んだ。 桟橋にも、馬蹄形《ばていがた》の街《まち》にも、その後ろなる山も、高原も、みな、美しく、厚....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
やは水戸に丁寧に礼を述べて玄関口を閉め、それからアルコール漬の若旦那さまを担いで馬蹄形に曲った階段をのぼり、そして彼の寝台の上にまで届けたのであった。 ドレゴ....
深夜の市長」より 著者:海野十三
の土地払下案をはじめ一切の重要書類が影も形もなかった。その代り金庫の棚には大きな馬蹄形磁石が一つ、人を莫迦にしたように鎮座していた。――人々はウムと呻ったきり、....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
怪しい物音が、室内に今起りつつある光景をハッキリ物語っているのだった。 そこは馬蹄形の急な階段式机が何重にも高く聳えている教室であった。中央の大きな黒板に向い....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
間に無装飾の壁があるだけいっそう引き立って、まさに形容を絶した色彩を作っていた。馬蹄形に両肢を張った階段を上りきると、そこはいわゆる階段廊になっていて、そこから....
海流」より 著者:宮本百合子
頭を心持右へかしげ、ゆったり大きいあぐらの片膝をゆすっていたが、やがてあり来りの馬蹄形の文鎮をのせてあった原稿紙をひきよせて万年筆をとり、母親と悌二とへの返事を....
旅愁」より 著者:横光利一
時預かって貰うことにして、父の小さな骨箱だけを携げ山路を登っていった。 城山は馬蹄形の山容で、部厚い肩から両腕を前に延ばしたその真ん中の、首の位置にあたる場所....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
とした硬い石壁に突きあたる。灰で塗られた雪田は、風の吹きつけた痕らしく、おもてに馬蹄形の紋をあらわしている、焼岳の右の肩から遠くの空へ、飛騨の白山つづきの山脈が....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
の間じきのがらんとした部屋だった。手前の方に、会員のすわるための椅子が二十脚ほど馬蹄形《ばていがた》にならべてあった。正面の奥、つまり板ばりの壁の前に、電気死刑....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
い様子で、同じように爪さきを刻んでいると、空の鵄が暗号でもしたらしい、一枚びらき馬蹄形の重い扉が、長閑な小春に、ズンと響くと、がらがらぎいと鎖で開いて、二人を、....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
して、残りの三方は分厚な六分板で張り詰められ、それを、二つの大池をつなぐ池溝が、馬蹄形になって取り囲んでいる。更に堂の周囲を説明すると、池溝は右手の池の堰から始....
だいこん」より 著者:久生十蘭
。ハアトのジャックに似た美しいひとがサーヴしてあたしを椅子に掛けさせると、みなで馬蹄形にあたしを取まき、そこで相互にゆっくりと観察することになった。 見わたす....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
きな階段を登ると、左に準備室があって、その先きに大きな講堂がある。講堂には大きい馬蹄形の机があって、その後方に暖炉や黒板があり、壁には図面などが掛かるようになっ....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
思わせる。 何処にも沢へ下りられる場所がないので、暫く絶壁の縁に沿うて辿った。馬蹄形に抉れ落ちた古い山抜けの跡に出る。内側は恐ろしく急峻ではあるが生えている草....