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「馬車馬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

馬車馬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
党生活者」より 著者:小林多喜二
、然しその理由はどうしても見当がつかないこと、陣営を建て直すのに決して焦ったり、馬車馬式になったり、便宜主義になったりしないこと、そんなことが書かれていた。「焦....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
とも不要なんです。音楽浴さえかければ、それの刺戟で国民はあと一時間半を疲れもなく馬車馬のように働くでしょう。その後でまた次の音楽浴をかければいいのです」 「それ....
もの思う葦」より 著者:太宰治
そんなものを人は良心の呵責と呼んで落ちついているようである。自己保存の本能なら、馬車馬にも番犬にもある。けれども、こんな日常倫理のうえの判り切った出鱈目を、知ら....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の使用初をして、「日々新」と父が其板壁に書いてくれた。 斯くて千歳村の一年は、馬車馬の走る様に、さっさと過ぎた。今更の様だが、愉快は努力に、生命は希望にある。....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
で、再び仕事に取り掛った。 その間にも霧と闇とはいよいよ深くなったので、人々は馬車馬の前に立って、途中その馬を案内する御用を承わりたいと申し出でながら、ゆらゆ....
愚かな一日」より 著者:豊島与志雄
く注意していなければいけない。現在を軽蔑してはいけない。うっかりしてはいけない。馬車馬みたいに遠くをばかり眺めて、足下をなおざりにしながら馳け出してはいけない。....
月明」より 著者:豊島与志雄
一 褌《ふんどし》一つきりの裸体の漁夫が、井端で、大漁の鯵《あじ》を干物に割いていた。 海水帽の広い縁で、馬車馬の目隠しのように雨の頬を包んで、先に立ってすたすた歩いていた姉が、真直を向....
生活について」より 著者:豊島与志雄
当の意味で自分のものとなり、力強い輝かしいものとなる。 余儀なく駆けさせられる馬車馬で、吾々はありたくない。自分の意志によって山野を駆け廻る奔馬で、吾々はあり....
灰だらけ姫」より 著者:楠山正雄
すところを、つえでさわりますと、ねずみはすぐと、りっぱな馬にかわって、ねずみ色の馬車馬が六とう、そこにできました。けれども、まだ御者がありませんでした。 「わた....
貞操問答」より 著者:菊池寛
かし結婚すべき良人としての美沢を考えると、前途は遼遠としていた。 どちらかに、馬車馬のように猛進する情熱のない限り、金のないインテリ階級にとって、結婚難は現代....
水鬼」より 著者:岡本綺堂
とめられてまず無事という始末。一体どうしたのかと見まわすと、われわれの乗っている馬車馬が突然に倒れたのだ。つまり動物虐待の結果だね。碌々に物も食わせないで、この....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
よう! 慾深くこのように考えた。それから私は努力めたものだ。二十年三十年四十年、馬車馬のように突き進んだ。そして美しかった青年の私が、いつの間にかこんな老人とな....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
ゃない。あいつは何をするんでも、慎重な判断なしにやり始めてしまうんだ。まるでもう馬車馬だ! あいつは完全に気が触れてるんだ! 僕は気違いと一緒にこんなことをする....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
れぬ――ある百姓心理のこり固まりなのだ。 彼らは最初、きまって無我夢中に働く。馬車馬のように向う見ずに働いて働いて働き抜くのである。病気ということも知らなけれ....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
残っていなかった。ここでも私は朝の六時から夜の十一時ごろまで、のりと汗にまみれて馬車馬のように働き続けた。 間もなく迎えた明治四十三年の正月、私は三十歳になっ....