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馬首
「馬首〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
馬首の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
がなかなかに重大な役目であるから、いずれも心きいた者ばかり。その四人が定めどおり
馬首をそろえて、半蔵門から隠し井の淵までさしかかってくると、 「よッ……!」 ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
げ》に打跨りつつ、いずれも必勝の気をその眉宇《びう》にみなぎらして、ずらりそこに
馬首を打ち揃えましたものでしたから、犬公方初め場内一統のものが、等しくどよめき立....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
そしてお感慨深げに、黙念と馬上から見守っていられる宰相伊豆守のおしのび姿の上へ、
馬首を並べてご警固申し上げている美小姓釆女の前髪姿の上へ、深夜の雪がおやみなく、しんしんと降りそそぎました。....
「熊の出る開墾地」より 著者:佐左木俊郎
判然とはわからないのだった。馭者は樹と樹との間が遠く、熊笹のないところを選んでは
馬首を更えた。その度ごとに偶然にも、馬車は急転して銃口から遁《のが》れるのだった....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
三は馬上の正勝に銃先《つつさき》を向けた。 「撃てるなら撃て!」 瞬間、正勝は
馬首を変えて、ぴゅっと開墾場のほうへ向けて駆けだした。 「逃げるのか?」 平吾....
「パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
ばれている)乾草がうず高く積み重ねられているところまで丘を乗りぬけて行くと、急に
馬首を右に転じて、山の麓の方へ馳せ登った。そこには屋根の低い、木造の百姓家が不規....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
あり最末位に緊那羅《きんなら》あり、緊那羅(歌楽神また音楽天)は美声で、その男は
馬首人身善く歌い、女端正好く舞い多く乾闥婆の妻たり。香山の大樹緊那羅王瑠璃琴を奏....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
き者あればすなわちこれを盗みて以て去る〉、『奥羽観跡聞老志』四に、駒岳の神は、昔
馬首獣の者生まれ、父母怖れて棄つると猴が葛《くず》の葉を食わせて育てた、死後この....
「シベリヤに近く」より 著者:里村欣三
まで追及して来た。 軍属の高村は、ひとあし踏み出して乱れた隊長の乗馬に、自分の
馬首を追い縋って並べ立てながら 「は」 と、答えておいて、あ、は、は、は、はッ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
く人もなく、御する人もないのに、思うまま野に出でて、終日を遊び暮らす。 或いは
馬首をあげて、北風か、南風か知らないが、風に向っていななくのもある。或いは軽俊に....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
《わけ》もなく進みたくなるのが、若殿育ちの源三郎の常で、彼は無言のまま、いきなり
馬首を東南に向け、小川に沿って走らせ出した。
いいかげんそこらまで行ったら、こ....
「自転車嬢の危難」より 著者:ドイルアーサー・コナン
るかどうか、やれるだけやってみよう」 私たちは二輪馬車に乗った。 ホームズは
馬首をまわして、ピシャリと一打ち鞭を当てて道を進んだ。カーブを廻ってからは例の廃....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
、手裏剣を恐れたためであって、「やっ」というと馬腹を蹴った。馬は颯と走り出した。
馬首は追分へ向いていた。月皎々たる芒原、団々たる夜の露、芒を開き露をちらし、見る....
「魔都」より 著者:久生十蘭
差しならぬ一問一答をしているさまは、譬えていうなら、二人の明智大将が戦場において
馬首を交うるが如き、一種凛然たる趣きがあるのであった。野毛山の親分は、慇懃に挨拶....
「はつ恋」より 著者:神西清
目をとめたからには、なおさらのことだった。ところが父は、いきなりわたしのそばから
馬首を転じると、クリミア浅瀬からわきへそれて、河岸づたいにまっしぐらに飛ばし始め....