馬鹿らしい[語句情報] » 馬鹿らしい

「馬鹿らしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

馬鹿らしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
言葉を聞きながら帳場の姿を見守っていたが、やがてそれが佐藤の小屋に消えると、突然馬鹿らしいほど深い嫉妬《しっと》が頭を襲って来た。彼れはかっと喉《のど》をからし....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
無理に我慢して迎いをよこすことはいらねえ。きょうは引っ返してもいいんだから」 「馬鹿らしい」と、掛橋は笑った。たとい花魁の病気が納まらないとしても、茶屋からすぐ....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
を含んでいた。人間性の、あらゆる洗練を経た後のあわれさ、素朴さ、切実さ――それが馬鹿らしい程小児性じみて而も無性格に表現されている巴里。鋭くて厳粛で怜悧な文化の....
河明り」より 著者:岡本かの子
海の上を渡っている若い店員にふらふらと寄って行きそうなのに気がつくと、 「なにを馬鹿らしい。人の男のことなぞ」 と嘲って呆れるのであるが、なおその想いは果実の....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
めの囮なのじゃ」 「驚きましたね、川上が死んだのに、囮を飼っておくなんて……凡そ馬鹿らしい話ではありませんか」 と、川上捜査に先頭をきって働いたスミス中尉だけ....
わがまま」より 著者:伊藤野枝
もいつかその叔父の周到に届いた誤魔化しに乗せられてその利器に触れたのだ。 「何て馬鹿らしい事だろう? 私はまあ叔父等の安価な生活のたしにされたのだ――」 また....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
な感じをあたえましたが、そんな些細なことにいちいちびくびくして振り向いているのも馬鹿らしいので、そのままにして探し物をつづけていました。ちょうど第二の紙包みを発....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
大好きですわ。」 と言って夫人は、更めて新吉の頬に軽く接吻した。新吉は斯ういう馬鹿らしいほど無邪気な夫人に今更あきれて、やっぱり憎み切れない女だと思った。 ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
の世から永遠に消えてしまうのだ。いったいあの話はほんとうかしら……。いや、そんな馬鹿らしいことがあるものか。経済、節制、努力、これが僕の三枚の必勝の切り札だ。こ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
、あの魚銛発射手でさえも、みんなの騒ぎに加わっているのである。 この迷信騒ぎの馬鹿らしい発生を除いては、物事はむしろ愉快に見えているのである。われわれの南方に....
停車場の少女」より 著者:岡本綺堂
立っていました。これから湯河原へ引っ返して見ようかとも思いました。それもなんだか馬鹿らしいように思いました。このまま真っすぐに東京へ帰ろうか、それとも湯河原へ引....
茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
分たりと解るべき筈がない、茶の湯などの面白味が少しでも解る位ならば、そんな下等な馬鹿らしい遊びが出来るものでない、 故福沢翁は金銭本能主義の人であったそうだが、....
月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
二人の様子を見ていた他の連中も成程と合点して、 「ははあ。それで聞えなかったのか馬鹿らしい。ははははは。」 と高笑をしたが、口が開いたのが見えるばかり、さっぱり....
荘子」より 著者:岡本かの子
お顔も鉛色におくすみなされて………して、その先生が何故わたくしなどをお招びになり馬鹿らしい所作にさもさも感に堪えたような御様子をなさいますのやら」 支離遜は手....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
三毒の善用法が判って来るのです。皆さんは、悲しいとき、口惜しいとき、欲しいとき、馬鹿らしいことをしたとき、澄み切った大空や、漫々たる海上を眺めたことがありません....