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馬鹿力
「馬鹿力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
馬鹿力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空中墳墓」より 著者:海野十三
た。 「じゃ何故、彼の腕をとって、貴方のお家へ連れこまないのですか」 「あいつは
馬鹿力を持っています。彼奴の腕にさわることができても、それこそ工場のベルトに触れ....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
像できるかネ」 「さあそれは、まず出来ないと思うネ。その女が気が変にでもなって、
馬鹿力というのを出すのでも無ければネ」 「気が変に? 気が変だとすれば、あの場を....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
で、竹をもって、木材の間を掻き廻しに行ったり、松の亭の下足をとる時、うしろから、
馬鹿力で押す奴があるので、振向きざま、撲《なぐ》ったり――相当に暴れたが、諸肌脱....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を嗣《つ》いで水車番になったのです。 与八の取柄《とりえ》といっては馬鹿正直と
馬鹿力です。与八の力は十二三からようやく現われてきて、十五になった時は大人の三人....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
り上って、さあ来い、と両手をひろげて立ちはだかれば、皆々、才兵衛の幼少の頃からの
馬鹿力を知っているので、にわかに興覚めて、そそくさと着物を着て帰り仕度をする者も....
「秘密の庭」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
たのだ。さすがの総監さえもこれには思わずギクッとした。 「加害者はゴリラのように
馬鹿力があったに相違ない」彼は呟くようにいった。 解剖上の醜悪なものにはいかに....
「曽我の暴れん坊」より 著者:坂口安吾
かろうとすると、軽くその肩を押えた五郎。 「ム。痛い。ウーム、この野郎、なんてい
馬鹿力だ。よせやい。動けねえや。痛いよ」 「オレは事情あって事を起すのが好きだな....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
やしなかったんですが、これこれしかじかの次第で、長範の命令一下サルトルとゴリラの
馬鹿力にトラックへ押し上げられちゃって、おまけにサルトルが東京までニコヤカに護衛....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
だの十六貫二百である。体格の均斉ととのい、手練の手取り相撲。遠江灘オタケの重量も
馬鹿力もその技術には歯が立たなかった。 ところが、抜弁天一座の花嵐オソメとなる....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
と手を打つかわりに灰皿を上げて、静かに莨灰を落させる。 「分りましたよ、非常時の
馬鹿力というのが、あれほど、お痛みだったのが土民がとおると、瞬間ケロリと忘れてし....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
B29に原子爆弾に、なしうると思わざるごとくに、凡そ縁遠い日本音楽の改革なぞに、
馬鹿力を入れる愚人は無いであろう。ここにおいて、民間放送局の空想はふき飛ばざるを....
「鬼退治」より 著者:下村千秋
でにそんなことを言っては勘太郎をひやかした。けれど勘太郎はすました顔をして、 「
馬鹿力さえあれば鬼退治が出来ると思っているのがおかしいよ。おれはそんな力はないか....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
山を下りて来る「熊」よりも恐ろしがっている。飲んだら「どんな事」でも平気でした。
馬鹿力を出すので、どの小作だってかなわない。「のべ源」の乱暴をとめようとして、五....
「活人形」より 著者:泉鏡花
知ってるな。こりゃ油断がならぬわい。危険々々、ほんの一機でこの石の通りになる処、
馬鹿力の強い奴だ。と舌を巻きしが、「待て、何ぞ手懸りになる様な、掘出し物があろう....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
決めた決心に反逆しているのだ。そしてなおそのあとで、決心の反逆にさらにいっそうの
馬鹿力をもって反逆するというわけでとどまるところを知らなかった。 不決断の海の....