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馬鹿正直
「馬鹿正直〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
馬鹿正直の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
気地なしだとも思った。彼はそこに自分の美しい魂を見いだし得ないで、かえって自分の
馬鹿正直さが情けないようにも思われてならなかった。 それでも彼はやはりその美し....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
上げたよ、次には虎井夫人の声で「場合が場合ですもの少し位は嘘を吐かねば、其の様な
馬鹿正直な事ばっかり言って何うします」怪美人「イエ何の様な場合でも同じ事です、若....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れほど手数がかかった芝居をしたんです。それを思うと、むかしの悪党は今の善人よりも
馬鹿正直だったかも知れませんね。あははははは」 これもやはりほんとうの怪談では....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
違い、いくら待っても円タクの姿が一台も現われて来ない。苛々しているうちに、時計は
馬鹿正直にまた五分ほど廻った。 「旦那、安くゆきましょう」 不意に横丁から、一....
「地獄街道」より 著者:海野十三
ないような仕事を一時にやってのけるなんて……」 「イヤそれより恐ろしいのは、この
馬鹿正直な器械たちのやることだ。もしこのベルトと歯車との間に、間違って他のものが....
「食魔」より 著者:岡本かの子
憶している。肌目がこまかいだけが取得の、無味で冷たく弱々しい哀愁、焦れもできない
馬鹿正直さ加減。一方、伯母は薄笑いしながら説得の手を緩めない。鼈四郎としては「何....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
逸作を誘い出すようにして、かの女を聘げてやりに行った。「そんな約束にまで、お前の
馬鹿正直を出すもんじゃない」と逸作は一応はわたくしをとめてみたが、わたくしが「そ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
後の丁禹良はやや魯鈍に近い人間で、特に取立てて語るほどの事もなかったが、いわゆる
馬鹿正直のたぐいで、これも忠実勤勉であった。それでも「わたしも今に高のようになり....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
、この感じを深くした。裏でこそ/\やる人間が、なんでもうまいことをしているんだ。
馬鹿正直な奴が、いつでも結局、一番の大馬鹿なんだ。 ある晩、わい/\騒いでいる....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
を、再三述懐して居られるので、最初私はひどく意外に感じたのであるが、後になると、
馬鹿正直の私は、一挙手一投足の労に過ぎなかったあんな些事を、それほどまで恩に感じ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
しきれな相に、私の言葉を奪ってこう云った。 探偵でせえ無けりゃそれで好いんだ、
馬鹿正直。 而して暫くしてから、 だが虫かも知れ無え。こう見ねえ、斯うやって這....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
しないわけにはゆかないのであった。 そんなことを考えているうちにも、時計の針は
馬鹿正直にドンドン廻ってゆき、やがて来る暁までの余裕がズンズン短くなってゆくのだ....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
、隣人も、そして多くの貧しい同胞たちもすべて一緒に死ぬることだと信じていた。この
馬鹿正直をわらう人はわらうがいい。 このような私が、ただ偶然のなりゆきから一本....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
ぎりの罰金を支払わせることを誓う。 一同 誓う。 花田 そのためには日ごろの
馬鹿正直をなげうって、巧みに権謀術数を用うることを誓う。 一同 誓う。 花田 ....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
いませんでした。「もし金のことが発覚すれば、三人同罪で牢屋へ行くのだ。」と伊作は
馬鹿正直な太郎右衛門に言い含めて置いたのでした。 太郎右衛門と、太郎右衛門のお....