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馳す
「馳す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
馳すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
弧状を描いて走るその電光のここかしこに本流から分岐して大樹の枝のように目的点に星
馳する支流を見ることがあるだろう。あの支流の末は往々にして、黒雲に呑まれて消え失....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
のであるが、これは自然の研究に基づいて構成された近代の進化論の学説とは甚だしく背
馳する考えである。この説の先駆者とも見るべきものはエジプト伝説の中にもまたホーマ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
うのだ。どうだろう法水君、この胡桃形をした無残な烙印には、たしか索溝の形状と、背
馳するものがあるように思われるんだが」とてっきり、胡桃の殻としか思われない結節の....
「運命」より 著者:幸田露伴
りて、朝廷兵を罷むるを許したまいて、而して糧を絶ち北を攻めしめたもうは、前詔と背
馳すと奏す。帝書を得て兵を罷むるの意あり。方孝孺に語りたまわく、燕王は孝康皇帝|....
「花吹雪」より 著者:太宰治
だから、一生、神仏を忘れないとしても、それだって神仏を頼むほうだ。剣聖の心境に背
馳すること千万なり。 十九、恥ずかしながらわが敵は、廚房に在り。之をだまして、怒....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
そう。イヨオー。ホオーホオー。ホオ。ホオウ」 「前途程遠し。思いを雁山の夕の雲に
馳す」 「そうそう。まっと長う引いて……イヨー。ホオホオ」 「いかに俊成の卿……....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
嫌な様子なく柔しき手して介抱し呉たる嬉しさ今は風前の雲と消えて、思は徒に都の空に
馳する事悲しく、なまじ最初お辰の難を助けて此家を出し其折、留められたる袖思い切て....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
を壊すことは、案外気持のいいことである。もちろん物資愛護の叫ばれる現下の国策に背
馳する行為ではあったが、しかし光枝の場合は、壊すための理由があった。つまりそれは....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
ともに、夜叉ヶ池から津浪が起って、村も里も水の底に葬って、竜神は想うままに天地を
馳すると……こう、この土地で言伝える。……そのために、明六つ、暮六つ、丑満つ鐘を....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ょろものの作者ごときは、外套を着た蟻のようで、電車と自動車が大昆虫のごとく跳梁奔
馳する。瓦礫、烟塵、混濁の巷に面した、その中へ、小春の陽炎とともに、貸本屋の店頭....
「鵞鳥」より 著者:幸田露伴
諒知下された。正直な若崎はその後しばしば大なるご用命を蒙り、その道における名誉を
馳するを得た。 (昭和十四年十二月)....
「世界の「料理王逝く」ということから」より 著者:北大路魯山人
理の好きな人間であったに違いなかろう。味覚上天才を持っておったことも、一大盛名を
馳する第一の要素となっておったと見るべきだ。 しかし、このひと、欧米の料理界に....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
額に貼りつけて歩いている」とヘンリイ・カッフがいっている。そんな性質にもっとも背
馳するもの――なにか深く計算された策略を撓みなく実践しろとか、卑小な狡さをときに....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
魚の足めく小枝なり。鼠あり。
毛の色ちゞに変れるが、群なして
苔の上、小草の上を
馳す。
群毎にひたと寄りこぞりて
飛び行く蛍は、
人迷はせの導きせんとす。
汝....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
して、家屋住宅の好みより衣服器具の選択など、形式上のすべてがいわゆる江戸趣味と背
馳するもの挙げて数ふべからず。』とはっきり結論を下している。そうしてさらに『およ....