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馴らす
「馴らす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
馴らすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うの午すぎから目黒の方角へお鷹馴らしに出た。鷹匠はその役目として、あずかりの鷹を
馴らすために、時々野外へ放しに出るのである。由来、鷹匠なるものは高百俵、見習い五....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
地を切って、向うの瓦屋根へフッと飛ぶ。とあとから仔雀がふわりと縋る。これで、羽を
馴らすらしい。また一組は、おなじく餌を含んで、親雀が、狭い庭を、手水鉢の高さぐら....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
人間がもう少し常住一様な栄養品の供給を確保するために、なかんずく必要な野獣を飼い
馴らすことを覚えるようになっても、事情はまだ大して変らなかった。ところがこの獣類....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
なかった。葉子と生活をともにしていることも、決して楽ではなかった。自身の家庭に居
馴らすことができてこそ、女も彼の日常の伴侶であり、朝夕の話相手でありうるのだった....
「窓」より 著者:鷹野つぎ
なる一人のベッドが悲しまれた。 だが回復を進めるためには、少しずつ病躯を運動に
馴らす必要もあった。 「でも私だけになっても、時々来て下さいね」私は心をこめて頼....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
じっと見合っていました。とう/\私は思いきって片手を伸しました。そして、この馬を
馴らすつもりで、口笛を吹きながら首のあたりをなでてやりました。 ところが、この....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
十分というあいだに相当の伊達者のようになったのです。 わたしはこの新しい服を着
馴らすために室内を歩き廻りました。クラリモンドは母のような喜びをもって私をながめ....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
、そういう秩序の方がよっぽど道義タイハイじゃないか。権力によって人間を征服し飼い
馴らす秩序が何物であるか。 ヤミ屋だのパンパンだのと敗戦の天然自然の副産物は罪....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
十年十一月二十五日『東京朝日新聞』) 四十四 象を
馴らす事 アフリカのコンゴーでは象の馴致を盛んにやる。近頃同地へ視察に行った人....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
は来てやがて引下り、侯爵閣下は、その暑いひっそりした夜、眠れるようにと静かに体を
馴らすために、寛かな寝間著を著てあちこちと歩いた。柔かなスリッパを穿いた足が床の....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
ト》』といってな、もっぱら敵を悩ますために用いる。しからば、どういう方法を以って
馴らすかといえば、敵方の兜《かぶと》やら鎧《よろい》、そういうものの上に置くので....
「新案探偵法」より 著者:小酒井不木
とは、鯉坂君にとって此上もない深い興味を与えました。 実験を行い得るまでに犬を
馴らすことは中々困難でしたけれど、彼は後には犬の性質を知って、比較的容易に馴らし....
「鴉」より 著者:シュミットボンウィルヘルム
こには物音が聞える。為事がある。鉄がある。軸や輪や汽鑵がある。凡人の腕で、猛獣を
馴らすように、馴らされた秘密の力がある。扣鈕を掛けたジャケツの下で、男等の筋肉が....
「はつ恋」より 著者:神西清
。父の馬術はなかなか大したもので、レーリ氏などよりずっと早くから、どんな荒馬をも
馴らすのに妙を得ていた。 「僕も一緒に行っていい、パパ?」と、わたしは父に訊いた....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
したのです。 私は気が狂ったのでしょうか。 何事にも小器用な公高は小鳥を飼い
馴らすのが上手でした。恰度おそまきの痲疹を患ってそれが癒ったばかりの時でした。屋....