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馴染み
「馴染み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
馴染みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
《はたち》までいる間に店の勘定をごまかして、遊びに行った事が度々あるが、その頃、
馴染みになった女に、心中をしてくれと云われて弱った覚《おぼえ》もある。とうとう一....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
も序《ついで》ながら、昔馴染《むかしなじみ》を一人思い出すか。」
「さあ、その昔
馴染みと云うやつがね、お蓮さんのように好縹緻《ハオピイチエ》だと、思い出し甲斐《....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
、恋愛小説に書いてあるような動悸《どうき》などの高ぶった覚えはない。ただやはり顔
馴染みの鎮守府《ちんじゅふ》司令長官や売店の猫を見た時の通り、「いるな」と考える....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
大河の鉄橋の上を渡って、河の向うの「深夜の市長」の棲む洞窟の方に近づいていった。
馴染み深い深夜の街は、まるで僕の故郷のように感じられた。業平橋を越え、右に広い道....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
四機とか衝突し、燃えていたそうな。 ◯鹿児島行の列車で、沖縄本島へ帰る少尉さんに
馴染みとなる。「いずれ来るでしょう、しかし今は内地の方々には済まんようないい生活....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
げ根を摂りに来てここを発見した。 「生命感は金魚に、恋のあわれは真佐子に、肉体の
馴染みは秀江に。よくもまあ、おれの存在は器用に分裂したものだ」 もくもくの水の....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
ちの目にも、ここが○○市だってぇことが分るはずだ。ほら向うを見ろ。幾度もいってお
馴染みの木馬館の塔があそこに見えるじゃないか」 「ははん、こいつは不思議だ。あれ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
になりました。人を見て法を説けとやら、こんな場合には矢張り段違いの神様よりも、お
馴染みの祖父の方が、却って都合のよいこともあるものと見えます。私の祖父の年齢でご....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
だといって心付けを貰った。そしてお京さんがアンリーを忘れてしまった時分にすっかり
馴染みがついたつもりのアンリーはお京さんとその両親を晩餐に招いた。三人は行った。....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
の背に頭をもたせ、肥った独逸の腸詰王が鼾をかき出した。などと忙しく説明し乍ら女は
馴染みのタンゴ楽手のアルゼンチン人や友達の遊び女達の出入する度に挨拶の代りに舌を....
「妖影」より 著者:大倉燁子
散歩している西洋人の後姿が見えていた。 私も起きると直ぐ甲板を散歩した。段々顔
馴染みの人が出来てきて、出会う度にお互に声をかけるようになった。私は何となくかの....
「梟の眼」より 著者:大倉燁子
のように輝いていた。杉村の持っていたのなどより、ずッと立派なものであった。早速、
馴染みの店員を招んで、硝子の上をトントン指先で叩きながら、 「ちょいと、この指輪....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
と思います」と云って帰った。 小夜子は頼みつけの看護婦会へ電話してみたが、生憎
馴染みの看護婦はいない、明朝まで待ってくれれば何とか都合すると会長が云った。神経....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
新聞以外でも見ているので、何となく親しみを持てた、先方は知らなくても、こっちは顔
馴染みなので、初対面の人に面会に行くような気はしなかった。 本庄はなるべく好い....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
本堂はバラックという外は仕かたはない。僕等は読経の声を聞きながら、やはり僕には昔
馴染みの鼠小僧の墓を見物に行った。墓の前には今日でも乞食が三、四人集まっていた。....