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馴染む
「馴染む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
馴染むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
き》で、一寸《ちょっと》聞くと怖いようでございますが、能《よ》く/\見ると赤子も
馴染むような美男《びなん》ですから、綽名《あざな》を業平文治と申しましたのか、但....
「富士」より 著者:岡本かの子
を啓発した。 こどもたちは父親の翁に似て山が好きだった。その性分の上にあけ暮れ
馴染む山は、はじめは養いの親であり、次には師であり、年頃になれば睦ぶ配偶でもあっ....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
た。林之助も昔はその妖艶なひとみの力に魅せられたのであった。しかもだんだんと深く
馴染むに連れて、殊に一つの屋根の下に朝夕一緒に暮らすようになってから、彼女の妖艶....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
道の春光が暖かに心中に溶け入って、意外の為に全身が浮き上る様に思った、極めて身に
馴染む意外である、此の様な意外なら幾等でも持って来いだ、多ければ多いだけ好い、縦....
「鮨」より 著者:岡本かの子
ろの花のような色の赤貝の身だの、二本の銀色の地色に竪縞のあるさよりだのに、子供は
馴染むようになった。子供はそれから、だんだん平常の飯の菜にも魚が喰べられるように....
「黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
無かった。最早、四囲を掘荒されたためからの影響として、地盤が落着き、肥料が土地に
馴染むまで、凝っと待つより他に途が無かった。 「仕方がねえさ! どうも。小作米は....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
、ある旅館で私は近頃珍しく蚤が腰のあたりを噛むのを感じて眠れなかった。 彼らは
馴染むと平気となるが、彼らを怖れると重大なものとなって来る。大体近代の文化は病院....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
黒塗の盆に盛って運ぶ彼女の姿が真実、妹という感じで新吉には眺められた。 巴里に
馴染むにつけて新吉は故国の妻の平凡なおさな顔が物足らなく思い出されて来た。 特....
「子を奪う」より 著者:豊島与志雄
に倦きると庭に出た。庭に倦きると表へ出た。そしてまた玩具の所へ戻ってきた。も少し
馴染むまでは遠くへ連れていってはいけない、と幾代は云った。その幾代を、依子は「お....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
ぬお米の口からたった今聞いて驚いたところさ」 「枕交わすが商売とは云え、親の敵と
馴染むとは……」 「知らぬが因果の畜生道さ」 「お米にとっては尽きぬ怨み……」 ....
「智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
いるため彼女の痛切な訴を身を以て感ずる事が出来ず、彼女もいつかは此の都会の自然に
馴染む事だろうと思っていたが、彼女の斯かる新鮮な透明な自然への要求は遂に身を終る....
「水垢を凝視す」より 著者:佐藤垢石
主として動物質の餌を食べているが、溯上の途中に立派な水垢を発見すれば、それに食い
馴染む。興津川や酒匂川、安倍川のように瀬が直ちに海へ注ぐ川は、川口にまで転石が磊....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
たよくと末半分は消えて行く片靨俊雄はぞッと可愛げ立ちてそれから二度三度と馴染めば
馴染むほど小春がなつかしく魂いいつとなく叛旗を翻えしみかえる限りあれも小春これも....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
努めて小さくなって、それら諸先輩に敬意を払っていたのであるが、先輩諸氏もだんだん
馴染むに連れて、子供あがりのわたしを可愛がってくれた。取分けて条野採菊老人はわた....
「はつ恋」より 著者:神西清
た。……だが、今ジナイーダの身に漠然と感じられる或ること、――それには何としても
馴染むことができなかった。……「男たらし」と、わたしの母はいつぞや彼女のことを罵....