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「駄句〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

駄句の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
慈川《くじがわ》には金竜銀波|跳《おど》って、その絶景はいわん方《かた》もなく、駄句の一つも唸《うな》りたいところであるが、一行は疲れ切っているのでグウの音も出....
天狗」より 著者:太宰治
笑いを噛み殺しながら、 草むらに蛙こはがる夕まぐれ と附けた。あきらかに駄句である。猿簑の凡兆の句には一つの駄句もない、すべて佳句である、と言っている人....
映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
式を全然無視したものではあるがただエキスペリメントの一つとして試みにここに若干の駄句を連ねてみる。 草を吹く風の果てなり雲の峰 娘十八|向日葵の宿 死んで行く....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
とう降参してしまって苦《にが》い面をすると、金公が大よろこびで復讐の意味を兼ねた駄句を作ったりなどして嘲弄します。入道甚だ安からず思ってまた一石、戦いを挑《いど....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
の筒袖《つつそで》に腰縄さえ付きて、巡査に護送せらるる身は、われながら興さめて、駄句《だく》だに出《い》でず、剰《あまつさ》え大阪より附き添い来りし巡査は皆|草....
郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
ったところの、真の本質的な純一の詩人であった。 芭蕉の佳句は十に二、三。蕪村の駄句は十に二、三、と正岡子規が評した。僕も昔は同感だったが、今の考《かんがえ》で....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
高浜清様 ○ 明治三十九年八月十一日(葉書) 拝啓 昨日の駄句「花嫁の馬で越ゆるや山桜」を、「花の頃を越えてかしこし馬に嫁」と致し候が御賛....
旅の旅の旅」より 著者:正岡子規
舌鳥の声悲し 馬の尾をたばねてくゝる薄かな 菅笠のそろふて動く芒かな駄句積もるほどに峠までは来りたり。前面|忽《たちま》ち見る海水盆の如く大島初島皆....
西瓜」より 著者:永井荷風
持てあます西瓜《すいか》ひとつやひとり者 これはわたくしの駄句である。郊外に隠棲している友人が或年の夏小包郵便に托して大きな西瓜を一個《ひ....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
二度目の問答有用が行われたと聞いて、戯れに、 薬師寺や今日は問答無用也 などと駄句りつつ塔前に立つ。和尚は知らず、塔はいつ見ても、見とれるばかりいい塔なり。 ....
美しい日本の歴史」より 著者:吉川英治
クと面白い諷刺物になるのではないか、などと独り思ったからである。 春行くや、の駄句にもならない風景だったが、東京都知事以下、全国の選挙ビラも、やっと方々で掃か....
親鸞聖人について」より 著者:吉川英治
ど折りふし、花のころでしたから、吉野山へ行ったんです。 そのころ、ぼくが作った駄句ですが“戦いやみぬ、藪うぐいすも、啼き出でよ”という句、まあそんな景色で、人....