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駄賃馬
「駄賃馬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
駄賃馬の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
でがなあろう。天文中書いたてふ『奇異雑談』に出た話で大略は、一婦人従者と旅するに
駄賃馬《だちんうま》に乗る。馬の口附《くちつき》来る事遅きを詰《なじ》れば馬に任....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
家様え、お馬に召しませ」可愛らしい娘の声がした。 振り返った一式小一郎、見れば
駄賃馬の手綱を取り、女馬子が立っていた。 「さようさな、乗ってもよい」 「これは....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ありません。 「ふざけやがるない、こん畜生、馬に乗りたけりゃ、助郷《すけごう》の
駄賃馬あ銭《ぜに》ゅう出して頼みな、こりゃ人を乗せる馬じゃねえんだ」 「そんなこ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れてしまいました。 そこで、川原の中に止まる者は、はや宇治山田の米友と、両替の
駄賃馬ばかり――それも、いつまでこうしていなければならぬはずのものではない、とも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
友がそれを介抱して、それから廻り道をしてまた本街道に出ると、ちょうど通りかかりの
駄賃馬を、道庵が呼び留めました。 値段をきめて、深谷《ふかや》まで二里二十七町....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の長持に手がかかるや否や、傍らの水田の中へがむしゃらに抛《ほう》り込んでしまい、
駄賃馬に向っては、持合せの間竿《けんざお》で、その尻っぺたをイヤというほどひっぱ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
き少しくつろぎ、それから障子を細目に開けて、澄江は往来の様子を眺めた。駕籠が行き
駄賃馬が通り、旅人の群が後から後から、陸続として通って行き、鈴の音、馬子唄の声、....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
十二月の中旬で、伊勢は暖いにしても、那古の浦からこの峠へくる風は相当に肌寒いが、
駄賃馬に乗っている客は、奈良晒のじゅばんに袷一重、その上に袖無羽織をかけてはいる....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
まわした。――雲はあるが、降りそうもない。 それから間もなく。 高輪街道から
駄賃馬に乗って行く小次郎の姿が見かけられる。
駄賃馬は晩く、大工町の半瓦の家に着い....
「遠野物語」より 著者:柳田国男
犬のうなる声ほど物凄く恐ろしきものはなし。 三七 境木峠と和山峠との間にて、昔は
駄賃馬を追う者、しばしば狼に逢いたりき。馬方らは夜行には、たいてい十人ばかりも群....