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駅
「駅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
駅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
の微笑の中に突然|一人前《いちにんまえ》の女を捉《とら》えた。もっともこれは東京
駅へ出迎えた妹を見た時から、時々意識へ上《のぼ》ることだった。けれどもまだ今のよ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
彼は国境《くにざかい》を離れると、すぐに一行に追いついた。一行はその時、ある山
駅《さんえき》の茶店に足を休めていた。左近はまず甚太夫の前へ手をつきながら、幾重....
「路上」より 著者:芥川竜之介
ると、始めて大井の方を振り返って、
「君は気がつかなかったか、昨夜《ゆうべ》東京
駅で遇ったのを。」と、探りの一句を投げこんで見た。
二十二
....
「白」より 著者:芥川竜之介
五月)午前八時|四十分《しじっぷん》、奥羽線上《おううせんのぼ》り急行列車が田端
駅《たばたえき》附近の踏切《ふみきり》を通過する際、踏切番人の過失に依《よ》り、....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
の死骸があったのでございます。あった処でございますか? それは山科《やましな》の
駅路からは、四五町ほど隔たって居りましょう。竹の中に痩《や》せ杉の交《まじ》った....
「或る女」より 著者:有島武郎
の群がるあの共同井戸のあたりを駆けぬける時、停車場の入り口の大戸をしめようとする
駅夫と争いながら、八|分《ぶ》がたしまりかかった戸の所に突っ立ってこっちを見まも....
「或る女」より 著者:有島武郎
快活で無邪気になっていた。そして二人《ふたり》は楽しげに下宿から新橋《しんばし》
駅に車を走らした。葉子が薄暗い婦人待合室の色のはげたモロッコ皮のディバンに腰かけ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
の群の噂をしていた。捲《ま》き上《あ》げようとして這入り込みながら散々手を焼いて
駅亭から追い立てられているような事もいった。
「お前も一番乗って儲《もう》かれや....
「星座」より 著者:有島武郎
知れた。斜《なな》め後ろから見ただけでも珍《めず》らしく美しそうな人に思われた。
駅夫《えきふ》が鈴を鳴らして構内を歩きまわりはじめた。それとともに場内は一時にざ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
にすぐ旅行の準備にかかった。その日から一週間とたたない十一月の五日には、もう上野
駅から青森への直行列車に乗っている私自身を見いだした。 札幌での用事を済まして....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
んてな。ははは、」 人も無げに笑う手から、引手繰るように切符を取られて、はっと
駅夫の顔を見て、きょとんと生真面目。 成程、この小父者が改札口を出た殿で、何を....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
、六韜三略の話だの早発性痴呆の話だのをした。御馳走になった場所は外でもない。東京
駅前の花月である。それから又斎藤さんと割り合にすいた省線電車に乗り、アララギ発行....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
は細野三千雄、川俣清音、黒田寿男らの諸氏とともに、雪の降りしきる秋田県についた。
駅には多数の出迎えの人があり、地元では
駅前でブッて気勢をあげ、会場までデモる計画....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
這い広がり、蔭涼しそうなるも有り、車行早きだけ、送迎に忙わし。 成田線なる木下
駅にて下車す。船頭待ち居て、支度は既に整えりという。喜びて共に河辺に至る。洋々た....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
は震災前と――というよりむしろ二十年前と少しも変らないものを発見した。それは両国
駅の引込線をとどめた、三尺に足りない草土手である。僕は実際この草土手に「国亡びて....