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「駅逓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

駅逓の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
そんなお金の事などは一切お父様がなすって、きょうはいくら、明日《あす》はいくらと駅逓《えきてい》局(その頃はもう郵便局と云っておりましたが、お父様は矢張りこんな....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
あった。栄吉は彼の前にいろいろな改正の印鑑を取り出して見せた。あるものは京都府の駅逓印鑑、あるものは柏崎県の駅逓印鑑、あるものは民政裁判所の判鑑というふうに。 ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
躾でもある。あらためて翁と呼ぶ。翁が今住んで居る家は、明治三十九年に出来た官設の駅逓で、四十坪程の質素な木造。立派ではないが建て離しの納屋、浴室、窖室もあり、裏....
石狩川」より 著者:本庄陸男
憶に生々しい。だが、その変化は更にはげしかった。まっ先に気づくのは、息つぎ場所の駅逓《えきてい》である。 彼らが駐《とどま》ることを許された川のあちら側には、....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
た。手押車を押して来た男の話によれば、彼はその日の朝「|ジョージ王屋」のところで駅逓馬車(註六)を降り、海岸沿いにどんな宿屋があるかと尋ねて、私の家が多分評判が....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
者の群れに包囲された。で、十二|露里《エルスター》の田舎道《いなかみち》を私設の駅逓馬車に乗って、チェルマーシニャへ向けて立つことに決めた。彼は馬をつけるように....
映画雑感(Ⅵ)」より 著者:寺田寅彦
版画などを通じて窺っていた「昔の西洋」が吾々の眼前に活きて進行することである。「駅逓馬車」による永い旅路の門出の場面などでも、こうした映画の中で見ていると、いつ....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
正体を見破られて詰られると、勇ましくその男の頭を射貫いて馬を飛ばして逃げ去った。駅逓馬車★が七人の剽盗に待伏せされ、車掌がその中の三人を射殺したが、「弾薬が欠乏....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
り、これは一定の土地の所有者が王領のために負担させられるものである1)。この国の駅逓は確かに安価で旅行者に便利であるが、しかしその実施のためには農業者は人間の点....
日和下駄」より 著者:永井荷風
そと》の参謀本部、神田橋内《かんだばしうち》の印刷局、江戸橋際《えどばしぎわ》の駅逓局《えきていきょく》なぞ指折り数えるほどであろう。 閑地のことからまたして....
かもめ」より 著者:神西清
からなければならん、それから三つ目、三つ目のお次は四つ目……といった具合。まるで駅逓馬車みたいに、のべつ書きどおしで、ほかに打つ手がない。そのどこがすばらしいか....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いか。 去年の十月末に出した江戸の便りが、年を越えて今頃やっと着くほど、道中の駅逓も、宿々の秩序も、表面は穏やかに見えながら、まだ完全でない社会である。女のひ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
。 * 林が林に続いた。高原が高原に続いた。 露領時代のままの駅逓が或る林中に幽かに薄紫の炊煙を立てているのも見た。その駅逓は丸太組で、極めて....