駆られる[語句情報] »
駆られる
「駆られる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
駆られるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ずれも内心では「人は文なり」と思っているらしい。
女の顔
女は情熱に
駆られると、不思議にも少女らしい顔をするものである。尤《もっと》もその情熱なるも....
「男女同権」より 著者:太宰治
惨な女難のかずかずを反芻《はんすう》してみて、やっぱり、胸をかきむしりたい思いに
駆られる事もございますのです。 私は東京に於いて、三人の女房に逃げられました。....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
覚を暗示する事で、それがために、白羽の矢を立てられた信者は、身も世もあらぬ恐怖に
駆られるが、そこが、教主くらの悪狡《わるがしこ》いつけ目だった。彼女は得たりとば....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
どはいつか無くなって居た。 葉子という女性は、時によっては非常に執念深く私情に
駆られるが、時によってはまるで別人のように公平で淡白な性質も持って居る。麻川氏と....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
響いて来た。千載一遇とも言うべきこの機会に、村のものはまたまた彼が強い衝動にでも
駆られることを恐れるからであった。かつては憂国の過慮から献扇事件までひき起こし、....
「安重根」より 著者:谷譲次
る。安重根は細目に正面下手の扉をあけて廊下の様子を窺ったのち、卓子へ帰り、焦慮に
駆られる態にて行李を開けようとし、逡巡する。椅子の一つに柳麗玉が腰かけて、尊敬と....
「辞典」より 著者:戸坂潤
唯物論的世界観は、思想が希望に燃えている時や(ギリシアの自然哲学)、新しい理想に
駆られる時(フランス啓蒙期の唯物論)にこそ、発生したのが事実である。認識論として....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
そうすると、この一個の地理的概念に対して、私は猟犬のような莫然たる動物本能に
駆られるのだ。旅行者はすべて、まるで認識生活をはじめたばかりの嬰児のように、あま....
「過渡人」より 著者:豊島与志雄
出来、充実が出来たことを示すものであるかも知れない。俺はもう馬鹿げた熱情や野心に
駆られることなしに、如何なることが起ろうとじっとどっしりして居られる位にはなって....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。平素は感傷的でなかった彼も、虚弱の花とも言うべきかかる神秘な愛情の発作に、今や
駆られるようになった。晩に、中庭の上の窓にもたれて、夜の神秘な響きに……遠く聞け....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
りがよかったから、そういう嚇《おど》かしを冗談と見なしはしなかった。若い娘は恋に
駆られると狂気|沙汰《ざた》になることを、考慮に入れなければならないと知っていた....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
しかし村次郎は、相も変らず黙々としているので、その物静けさには一種不気味な気持に
駆られる場合さえあった。 もしあの夜、楽屋に入った儀右衛門を、村次郎が知ってい....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
しながら自分あての手紙を待ち、それが遅れるとみじめになって、どこまでも危惧の念に
駆られるのだったが、さてその手紙が来て、エリザベートか父の上書きを見ると、思いき....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ら既に芽差していたことで、何かにつけ心掛けてはおりましたが、いよいよ社会の要求に
駆られるようになって見ると、事実その写生的に行く方のやり方を実行して見たくなった....
「三つの痣」より 著者:小酒井不木
者があげられた時は、一刻も早く、彼を白状せしめたいものだと、人知れず、焦燥の念に
駆られるのでした。 こういう経験を度々した結果、私は直接証拠の出ない場合に、何....