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駆落ち
「駆落ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
駆落ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
りつつある、つぶし餡のお妻が、さてもその後、黄粉か、胡麻か、いろが出来て、日光へ
駆落ちした。およそ、獅子大じんに牡丹餅をくわせた姉さんなるものの、生死のあい手を....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
ところが今から一年ほど前に、不意にその女が居なくなった。悪御家人の悪足と一緒に、
駆落ちしたのだという噂があったり、養母に悪いのがついていて長崎の異人へ妾に売った....
「野萩」より 著者:久生十蘭
んに瓜二つなの」 幹《みき》邦《くに》子が、夫の利吉雄を捨てて、誰かと欧羅巴へ
駆落ちをしたというたいへんな評判で、新聞社の巴里と倫敦《ロンドン》の支局は、本社....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
いまつらぬ罪さえあるのに、さまざまに神を嘲弄し申し、人が造った船でヨッパから海へ
駆落ちしようとした……だが、いまもお話したように、神は鯨に命じてヨナを襲わせたも....
「日記」より 著者:宮本百合子
分すぎ安積へ出発。 二十一日 猪苗代行、二十四日帰京 二十五日―二日間宮、こう
駆落ちす。 二十七日 「彼方に遠く」起稿、三十日夕刊に予告出、三十一日発行、諸々....
「ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
わたしの女房は、このわたしの男っぷりに愛想をつかして、婚礼のあくる日、好きな男と
駆落ちしてしまった。けれどわたしは、その後も自分の本分に、そむいたことはないよ。....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
旅籠で出会ったことから、過ぐる夜、瓜生山で再び会って、ふと出来心のように、江戸へ
駆落ちする相談を決め、連れの母親を捨ててしまったことまで、ありのままに話して隠す....
「山の人生」より 著者:柳田国男
る者も甚だわずかであった。ただし壮年の男などはよくよくの場合でないと、人はこれを
駆落ちまたは出奔と認めて、神隠しとはいわなかった。神隠しの特徴としては永遠にいな....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
までは、年老いたる男に送られて来ている。江戸・大阪の浄瑠璃に出てくる抱え遊女は、
駆落ちの際でもなければ外へは出ぬものになっていたが、地方は近頃までかなりの自由が....
「俗臭」より 著者:織田作之助
、番頭はその言葉は不穏当だといった。番頭はこの頃男女間の道に分別ついて、千恵造の
駆落ちにひそかに同情しているのだ。伝三郎は番頭の言葉をきかなかった。社会主義者と....
「ユモレスク」より 著者:久生十蘭
ん、その奥さんに瓜二つなの」 幹邦子《みきくにこ》が夫の利吉雄を捨てて欧羅巴へ
駆落ちをしたというたいへんな評判で、新聞社の巴里と倫敦の支局は、本社からの命令で....