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「駈け出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

駈け出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かしら》に四、五人の子供が往来に遊んでいた。遊びに夢中になっている一人の子供は、駈け出すはずみに大三郎に突き当って、ふたりは折り重なって路傍に倒れた。もともと悪....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ると、うららかな春の町を駈けてゆく人々のすがたが乱れて見おろされた。 「弥次馬が駈け出すようですね。なんだろう。ちょいと見て来ます」 云いすてて兼松は階子《は....
親子」より 著者:有島武郎
「御免」という挨拶だけを彼に残して、矢部は星だけがきらきら輝いた真暗なおもてへ駈け出すように出て行ってしまった。彼はそこに立ったまま、こんな結果になった前後の....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
。ほんとに光りは、人間にとって、心強いものだった。 下町の表通りを、バラバラと駈け出す一隊があった。 「火を消す用意をして下さい。不用な灯は消して下さい。空襲....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
き出すと、女もいよいよ足早に追って来た。丁はますます気味が悪くなって、一生懸命に駈け出すと、女もつづいて駈け出したが、丁の逃げ足が早いので、しょせん追い付かない....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
って行くんですから、それが決してぐずぐずしていてはいけない。受け取るや否やすぐに駈け出すというんですから、宿々の問屋場は大騒ぎで、それ御松茸……決して松茸などと....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
と留まった。が、話の意味は通ぜずに、そのまま捻平のがまた曳出す……後の車も続いて駈け出す。と二台がちょっと摺れ摺れになって、すぐ旧の通り前後に、流るるような月夜....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
たように、背中の両方から悚然として、足もふらふらになりました。 夢中で二三|間駈け出すとね、ちゃらんと音がしたので、またハッと思いましたよ。お銭を落したのが先....
小公女」より 著者:菊池寛
二人は抱き合って、もう離さないというような接吻をしました。 辻馬車が戸口から駈け出すと、セエラはエミリイと一緒に二階の部屋の床の上に坐り、顎を両手の上にのせ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
しく、私とFのあとについて来たが、いつもは見識らない場所へ来るとまっさきに立って駈け出すにもかかわらず、今夜はわたしの靴の踵にこすりついて来るのであった。 私....
人造物語」より 著者:海野十三
で二十人力の腕力があり、要所要所に六個の耳を備えて居り、時速六十|哩の快速力で、駈け出すことができるという鬼神のお松そっちのけの人造人間である。 このメリー・....
深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
う女の悲鳴が聞えたので、わたしは持っているステッキを把り直して、その声をしるべに駈け出すと、出逢いがしらに駈けて来る一人の男があった。あぶなく突き当ろうとするの....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
したから、岩で痛く腰を打っただけで谷へは落ちませんでしたが、もしその時馬が驚いて駈け出すか、私が手綱を放しますと と消えてしまったのでございます。これはいい塩....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
過ごされて、じゅう。 あっ、私はその時、青くなって、飛びあがって、我に返って、駈け出す私を見た。 * 斧だ。 大きな部厚な斧、上の縁が黒く、....
四つの都」より 著者:織田作之助
はあ……?」 清子(微笑した明るい表情で)「百米、走って参ります」 清子、廊下を駈け出す。 四六 清子の駈け出す姿をとらえたカメラは、次の瞬間にはもう、同僚の先....