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駈け寄る
「駈け寄る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
駈け寄るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いて、お種の出て来るのをそっと呼びました。 おさんの姿をみて、お種はおどろいて
駈け寄ると、銀八がここでは話が出来ないから、ちょいと其処まで来てくれと云う。つま....
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
しいので、お染ははっと胸が跳《おど》った。彼女は幾たびかつまずきながらようように
駈け寄ると、その勝利者はたしかに半九郎と判った。 「半さま」と、彼女は思わず声を....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いど》み合っていた。 俯伏していた町人は畑のなかから飛び出して、飛鳥のごとくに
駈け寄ると、それに驚かされて二つの影はたちまち離れた。女はあわてて逃げ去ろうとす....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と滑り落ちて来るらしかった。 「与之助。御用だ」と、半七はその影を捕えようとして
駈け寄ると、影はあと戻りをして坂路を一散に駈け降りた。半七はつづいて追って行った....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
や大川へ飛び込もうとする女の帯は、うしろから半七の手につかまれた。亀吉もつづいて
駈け寄ると、露路の中から男と女が駈け出して来た。 「おめえは番太の女房だな。まあ....
「安重根」より 著者:谷譲次
錫が顔を出す。 朴鳳錫 (大声に)スパイは来ていないか。(同志一、二ら多勢窓際に
駈け寄る) 同志一 スパイ――? 朴鳳錫 安のやつだ。安重根はスパイなんだ。 と....
「若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
合《ジャムカ》の鎧の袖を縫う。その矢には、白い馬の尾が結びつけてある。一同騒然と
駈け寄る。 札木合《ジャムカ》 (よろめきつつ矢を抜き取って)いや、傷つきは....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
。手足が、ビクリビクリと微動した。 「おお、陳君!」僕は、おもわず叫んで、屍骸に
駈け寄ると、怪老人は、手をあげて制し、 「静かに、静かに」用意の葡萄酒を二、三滴....
「陳情書」より 著者:西尾正
》け反《ぞ》った時に、今度は妻の方が再びもぞもぞと起き上る気配なので、我を忘れて
駈け寄るが早いか、体と云わず顔と云わず滅多矢鱈《めったやたら》に殴りつけました。....
「光は影を」より 著者:岸田国士
からの合図にこたえるように、 「はい、はい、たゞいま……」 と、そつちへ急いで
駈け寄る気配がした。 それから一週間は、またゝくうちに過ぎた。 百瀬しのぶは....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
の長襦袢。はらりとひらめく、八ツ口、裳、こぼれず、落ちず、香を留めて、小路を衝と
駈け寄る姿。 かくてこそ音羽なる青柳町のこの枝道を、式部小路とは名づけたれ。 ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
と頬に流れつ、抱きたるお藤をどうと投落して、屏風のごとく倒れたり。 それと見て
駈け寄る二人の悪僕、得三、高田、お録もろとも急ぎ内より出で来りぬ。高田はお藤を抱....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
けていた乾児たちは、 「だめだ!」 「死んだのか」 「もう呼吸はねえ」 後から
駈け寄る者もあって、がやがや騒いでいたが、小次郎は、見向きもしなかった。 「これ....
「三国志」より 著者:吉川英治
、気配に耳をすましながら庵の中から、 「誰だ」と、その人物が咎めた。 蒋幹は、
駈け寄るなり、廂下に拝をして、 「先日、群英の会で、よそながらお姿を拝していまし....
「三国志」より 著者:吉川英治
されい」 呉将潘璋は、やがて馬をすすめて関羽へ云った。長髯に風を与えて、関羽は
駈け寄るや否、 「匹夫っ。何ぞ真の武魂を知ろうや」 と、ふりかぶる大青龍刀の下....