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駈け抜ける
「駈け抜ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
駈け抜けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「飛行機から墜ちるまで」より 著者:吉行エイスケ
、僕に倒れかかった。 僕とボップ、裏街の夜、アアク燈、柳暗花明の巷《ちまた》を
駈け抜けると、古寺院の境内、数時間、僕はだまって経過した。 ――ロップ、一時は....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
に暴れ込んで、鳥か獣《けもの》のブラ下がったのを片端《かたっぱし》から引き落して
駈け抜けると、今度はその次の反物市場に躍り込み、絹や木綿を引き散らして窓や轅《な....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
フム、」 乗って出たのに引込まれて、ト居直って、 「あの砂埃の中を水際立って、
駈け抜けるように、そりゃ綺麗だったと云うのだ。立留って見送ると、この内の角へ車を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いてくれた道を、笠に合羽の旅人体と、裸体に脚絆のがんりきとが疾風《はやて》の如く
駈け抜ける足の早いこと。 二人は街道、人家、畑の中を区別なく北を指して駈けて行....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
て、ぐいと袂に掴まったが、絞ると見えて水が垂った。 (田も畦も構わない、一文字に
駈け抜けるんです、怪我があると不可ません。) (可いの、貴下、婦は最期まで、殿方....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
が、エイハア! の掛け声も鋭く角々を折れ曲がって、大戸をあけはじめた町家つづきを
駈け抜けること一刻あまり、トンと鳴って底が地についてみると、ゾロゾロとはい出た五....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
たちの駈け通る両側の黒い樹樹の影は混乱した軍勢のようにざわめきます。真っ暗な森を
駈け抜ける時などは、一種の迷信的の恐怖のために、総身に寒さを覚えました。またある....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
で来る。――それは無理に我慢しても、鼻だけは絶えずくうくう鳴った。 竹藪の側を
駈け抜けると、夕焼けのした日金山の空も、もう火照りが消えかかっていた。良平は、愈....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
来ずば関を通せい」 「仕方がねえ。通るがいい」 大男は片寄った。そこを眼がけて
駈け抜ける。 「大きくて小さく、形あって形なし、――どうも俺には解らねえ。いった....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
はくれないからであった。そんな時私はゴロリと寝た。動悸の烈しい心臓を抑え、空想の
駈け抜けるのを待つのであった。 町を歩きながら立ち止まり、電信柱へ倚りかかり、....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
たぬ。これはどうでも戦いの前に、是非赤格子に渡さなければならない。で、つと群から
駈け抜けると、付けられた十人の部下も連れず、大手の門へ走っていった。自由行動を許....
「生不動」より 著者:橘外男
表の騒がしさに夢を破られて、がばと跳ね起きた。沈々と更け行く凍てついた雪の街上を
駈け抜ける人の跫音、金切り声で泣き叫ぶ声、戸外からは容易ならぬ気色を伝えてくる。....