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「駒鳥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

駒鳥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
つよりも早く目をさました。のどかな春の朝であった。病院の廊下に吊るされた籠の中の駒鳥は、朝早くから鳴きしきって、負傷兵たちの夢を破っていた。イワノウィッチは、寝....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
れたのを、おとりで捕った人に貰ったのであった。が、何処の巣にいて覚えたろう、鵯、駒鳥、あの辺にはよくいる頬白、何でも囀る……ほうほけきょ、ほけきょ、ほけきょ、明....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
頃の柔々しい呼吸で充ちていて、大きな声を出すのすら、いたいたしいようだ。しかし、駒鳥の錘を投げるような鋭い声は、沈滞がちな、中層の空気を引っ掻き廻している。 ....
山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
ンジ色に、静まりかえって見える。障子が静けさそのもののように、窓をふさいでいる。駒鳥のなきだすのもこの時分からだ。 小屋の生活 朝の温度は驚くほど....
春の槍から帰って」より 著者:板倉勝宣
を踏み出して烏川の谷に入ると、もう雪が出てくる。しかし岩はぜの花の香が鼻をつき、駒鳥の声を聞くと、この雪が今にもとけて行きそうに思う。しかしやがて常念の急な谷を....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
えるようになった。辛夷、卯の花が木の間に見え山桜の花が咲くようになった。鶯の声、駒鳥の声が藪の中から聞こえて来る。 山吹はこの頃|懐妊っていた。多四郎の種を宿....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
はなれ家の座敷があって、廊下が桟のように覗かれる。そのあたりからもみじ葉越しに、駒鳥の囀るような、芸妓らしい女の声がしたのであったが―― 入交って、歯を染めた....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
らさ、と攀上った若いものがある。 駅夫の長い腕が引払った。 笛は、胡桃を割る駒鳥の声のごとく、山野に響く。 汽車は猶予わず出た。 一人|発奮をくって、の....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
出た。入口の門番の窓には誰も居なくて祭の飾りの中にゼラニウムの花と向いあって籠の駒鳥が爽やかに水を浴びていた。 割栗石の鋪石へ一歩靴を踏み出す。すると表の壁の....
化鳥」より 著者:泉鏡花
たので、しまいにゃあ見知顔で私の顔を見て頷くようでしたっけ、でもそれじゃあない。駒鳥はね、丈の高い、籠ん中を下から上へ飛んで、すがって、ひょいと逆に腹を見せて熟....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
る。九|輪草が咲いている。そこへ夕陽が射している。啼いているのは老鶯である。と、駒鳥の啼声もした。 それらの物を蔽うようにして、高々と空に聳えているのは、南蛮....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
飛びまわり、周囲の色とりどりの豊富なご馳走を思うままについばんでいた。正直ものの駒鳥がいた。これは子供の狩猟家の好む鳥で、声高に愚痴をこぼしているような鳴き声だ....
案内人風景」より 著者:黒部溯郎
いよいよ登高の第一日が始まる。草いきれのする裾野路。淙々たる渓流の響。闊葉樹林。駒鳥の声。雪渓。偃松。高山植物を点綴した草野。そして辿り着いた尾根上の展望。三人....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
面で、雪解の跡には草の緑が若若しい。雪渓の勾配はさして急ではなかった。両側の山で駒鳥が盛に鳴く、沈静な谷の空気が諧調の音波を無限に拡げる。それには耳も借さない風....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
少し早いし、先を急ぐ必要があるので、惜しくも夫を見捨てて右の本谷に入った。朗かな駒鳥の鳴声が沈滞した谷の空気を振わして、爽快な音波を鼓膜に伝える。夫に和して大瑠....