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「駕籠屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

駕籠屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
)を少し過ぎた頃であった。雷門《かみなりもん》の前まで来ると、次郎左衛門を乗せた駕籠屋の先棒が草鞋の緒を踏み切った。その草鞋を穿き替えている間に、次郎左衛門は垂....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
して更に左の小脇にかかえ込んだ。森川宿ではどうにもならないが、本郷の町まで出れば駕籠屋がある。忠三郎はそれを的《あて》にして雪のなかを急いだ。幸いに雪は大したこ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たというが、どこで血止めの手当てをして来なっすたえ」 「浅草へまいりましてから、駕籠屋にたのんで水を汲んで来て貰いました」 「駕籠屋にも頼んだかも知らねえが、荒....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た。今夜のうちに次の宿の猿橋まで乗り込みたいと思ったが、あいにくに雨が降るのと、駕籠屋も疲れ切っているのとで、半七はここで今日の旅を終ることにして、駕籠のなかか....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かけると、その娘は黙ってすうと行ってしまったんです。それから少し経つと、知らない駕籠屋が来て駕籠賃をくれと云いますから、それは間違いだろう、ここの家で駕籠なんか....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
な。殺られたのは男か女か」 「それがおかしい。もし、親分。浅草の勘次と富松という駕籠屋が空駕籠をかついで柳原の堤を通ると、河岸の柳のかげから十七八の小綺麗な娘が....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
りで足駄の鼻緒をふみ切った。舌打ちをしながら見まわすと、五、六軒さきに大岩という駕籠屋の行燈がぼんやりと点っていた。ふだんから顔馴染であるので、かれは片足を曳き....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
慾に目がくらんで引き受けた。かれは日の暮れるのを待って、一挺の辻駕籠を吊らせて、駕籠屋の手前は病人のように取りつくろって、お直をそっと運び出して行った。 これ....
栃の実」より 著者:泉鏡花
いいえ出ますから。」 娘が塗盆に茶をのせて、「あの、栃の餅、あがりますか。」「駕籠屋さんたちにもどうぞ。」「はい。」――其処に三人の客にも酒はない。皆栃の実の....
南地心中」より 著者:泉鏡花
を着た逞しい親仁だが、影法師のように見える、太く、よぼけた、」 「ええ、駕籠伝、駕籠屋の伝五郎ッて、新地の駕籠屋で、ありゃその昔鳴らした男です。もう年紀の上に、....
黒百合」より 著者:泉鏡花
や。お前様が行く気でも、私が留めます。お嬢様の御用とって、お前、医者じゃあなし、駕籠屋じゃあなし、差迫った夜の用はありそうもない。大概の事は夜が明けてからする方....
経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
い風呂敷包みを持っていた。この問答のうちに、夕暮れの色はいよいよ迫って来たので、駕籠屋は途中で駕籠を立てて、提灯に蝋燭の灯を入れることになった。それを待つあいだ....
恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
わすと、四郎兵衛はからだを支えかねて、乗りかけた駕籠からころげ落ちた。それを見て駕籠屋もおどろいた。 「おい、姐さん。どうしたのだ。」 「どうするものかね。」と....
蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
ちに誰かが呼んで来たのでしょう。町内の鳶頭が来まして、なにかいろいろになだめて、駕籠屋にも幾らかの祝儀をやって、管をまいているその男を無理に押込むように駕籠にの....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
。」 と、もう白澄んだ瞼を染めた。 「境さん、いいでしょう、上げますわ。」 「駕籠屋は建場を急いでいます、早く飲もうと思ってね。」 「おいらんのようにはいきま....