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駸
「駸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
駸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
失くしていた。だからこの夏期は夜番と云いつくろって父娘二人水泳場へ寝泊りである。
駸々と水泳場も住居をも追い流す都会文化の猛威を、一面灰色の焔の屋根瓦に感じて、小....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
。 赤い帆の船はひた駛る。 右に曲がり左に曲がり、時にはグルリと後返りをし、
駸々として進んで行く。その様子が、眼には見えないが一定の航路が出来ていて、その航....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
制スルニ便ナルヲ以テ、鎮府ヲココニ建テ、分散|紛擾《ふんじょう》ノ弊ナク、北虜|
駸々《しんしん》日ニ進ムノ勢ヲ抑ヘテ北門ノ鎖鑰《さやく》ハジメテ固カラン」とし得....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ら消えてしまった。 一七 若殿のご座船を先頭に、二十隻の船は
駸々と、湖水の波を左右に分け、神宮寺の方へ進んで行ったが、やがて目的の地点まで来....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
、その船もそういう筏なのであった。 それにしても、速力の速いことは! 筏船は
駸々《しんしん》と走って来る。歌のような帆鳴りの音がする。泡沫《しぶき》がパッパ....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
、僅かに吉野作造氏等によるデモクラシー運動位のものだったが、それもマルクス主義の
駸々たる台頭の前には、完全に後退して了ったと見ねばならぬ。それ以後意識的に自由主....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
を云うと通念とも世論とも、まして慣習=衡平とも云えないものだ。それにも拘らず之は
駸々乎として、社会の大衆層に浸潤し、やがて社会の意識的に敏感な層を支配し始めるも....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
一進一退はあるとしても、ジグザグの形をとるにしても、ここ数年来の日本の大勢が
駸々として特有の型のファッショ化の過程にあることは、もはや誰しも疑わない。かつて....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
積んである。その為船は船足重く喫水深く見えるのであった。 支那の港香港を指して
駸々と駛って行くのである。そうしてそこで、利益の多い貿易事業をするのであった。 ....
「科学的新聞記者」より 著者:桐生悠々
頃には、人は明に、また大に信じて、彼の宇宙に関する理念を語り得た。その後、知識は
駸々乎として長大足の進歩を示し、宇宙に関する中世紀の理念は不完全となり、当時の包....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
筒が、浪|平かな海に映り、物寂しい景色であったが、一隻の帆船が銚子港へ向かって、
駸々として駛っていた。 その帆船のへさきにたたずみ、遙かに海上を眺めながら、追....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
めて周章てもせず、眼を閉じて運命を待っていた。どこをどのように走るのか、自動車は
駸々と走って行く。いつか二つの窓をとざされ、外の様子はどんなにしても窺うことは出....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
を変じて、学術の原則に付会せんことをつとむるにあらずや。もし、果たして欧米諸国の
駸々として文明に進むゆえんのものヤソ教に由来すというときは、ヤソ教の炎勢は、その....
「西航日録」より 著者:井上円了
盛況を見て、いささか感ずるところあり。左に所感のままをつづる。 独立以来歴年浅、
駸駸忽成富強基、電気応用驚耳目、器械工夫競新奇、実業已能凌万国、文芸又足圧四陲、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
なのだ。(巴里偶成)) 欧州を一巡し、今日の盛況を見て賦したる一律あり。 文運
駸駸振古稀、百工万学究帰。 (学問文化は急速に進むことはかつてない。各種の職人や....