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駻
「駻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
駻の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
を討ち取るよりも、捉らえようとするにあるらしかった。 今、二騎の侵入兵が、その
駻馬を躍らせて、颯とばかりに飛び込んで来たが、逃げ惑う一人の若い信徒を、両馬の間....
「旅愁」より 著者:横光利一
木馬が眼を怒らし人も乗せず街路樹の青葉を擦りつつ廻転している様は、空を馳けぬける
駻馬のように勇しかった。その横に円形の音楽堂のようなものがあって、コンクリートの....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
剋が見られる。 漱石は、「吾輩は猫である」などの中に、女を、ソクラテスの有名な
駻馬的細君を例にして、苦い皮肉と笑とで扱っているが、「行人」を読んだものは、学者....
「夜の靴」より 著者:横光利一
二十円になったときには村のものらは眼を見張ったものだが、今は誰もが、暴れ放された
駻馬を見るように田の面を見ているばかりである。 「これじゃ、この冬は餓え死するも....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
どちらも割り切れたようでいて、恐しい一刻者の作品、鼻ッ柱が強い強い。読みながら、
駻馬と鼻をつきあわしているようで、そういう面くらった面白さはあった。 姉が先夫....
「郷介法師」より 著者:国枝史郎
せず、 「適当の逸物ござりましょうか?」 「馬か? 馬ならいくらもある」 「私、
駻馬を好みます」 「荒馬がよいか。それは面白い。では月山に乗って見ろ」 「失礼な....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
きで、彼でなければ御すことはできなかった。じっさい、ブロムは、悪いことばかりする
駻馬に好んで乗るので評判が高かった。騎手がいつでも首の骨を折る心配をしなければな....
「頸の上のアンナ」より 著者:神西清
ったからさ。この奥さんと言うのがね、やはりアンナと言うとても浮気者で手に負えない
駻馬だったんだよ。まあ僕も、今にアンナ二等賞を貰う時には、閣下からこんな事を言わ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
誰でもあれ、 「早よう、奈良街道へも手をまわせ」 と気転をはたらかせていたら、
駻馬の一ムチ、天皇はその日に囚われていたことだろう。 何しても、六波羅の抜かり....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
か? と。 「佐々木どの、言い残した。一言告げたい。しばらく」 すぐそこへ来た
駻馬は、高氏の手綱にしぼられ、相寄ろうにも、急には自由にならなかった。 「用とは....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ど、藤夜叉の肩ごしに、ひと言ふた言、柄にもない優しいことばを※いていた。そして、
駻馬の如く身をひるがえすやいな彼方の疎林の下を駈けくぐって行ってしまった。 「…....