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「騎虎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

騎虎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
「誰じゃ。」と、一声|咎《とが》めました。もうこうなっては、甥を始め、私までも騎虎《きこ》の勢いで、どうしてもあの沙門を、殺すよりほかはございません。そこでそ....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
。その代りまた後《あと》に残った二人は、本来さほど敵意のある間柄でもなかったが、騎虎《きこ》の勢いで已《や》むを得ず、どちらか一方が降参するまで雌雄《しゆう》を....
老ハイデルベルヒ」より 著者:太宰治
たちも、行かないかね、と心にも無い勧誘がふいと口から辷《すべ》り出て、それからは騎虎《きこ》の勢で、僕にね、五十円あるんだ、故郷の姉から貰ったのさ、これから、み....
花火」より 著者:太宰治
どりでその舟に乗り込み、「ちゃんとオールもございます。沼を一まわりして来るぜ。」騎虎《きこ》の勢《いきお》いである。 「僕も乗ろう。」動きはじめたボートに、ひら....
乞食学生」より 著者:太宰治
ぶりを傍に片附け、「事情があったんだよ。聞いてくれるかね?」 「言ってみ給え。」騎虎《きこ》の勢である。 「言ってみたって、どうにもならんけど、このごろ僕は、目....
長篠合戦」より 著者:菊池寛
がらであったと伝える。武田の本軍、鳶ヶ巣以下の落城を知ったが、敵軍を前にして今更騎虎の勢い、退軍は出来ない。天正三年五月二十一日の暁時(丁度五時頃)武田の全軍は....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
っていた。性質から来るのか、石子の遣方は渡辺とは違う所があった。然しこうなっては騎虎の勢い、渡辺に従って座敷に踏み込むより仕方がなかった。奥さんも別に二人の上る....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
これもみなわたし?」 「それに違いない、お前の怖ろしさがいま知れた」 竜之助は騎虎の勢いで、言うだけ言ってのけるほかはなかったので、お浜は狂乱の体《てい》にま....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
太田筑前守がなんとも言わないのは、いよいよ以て怪《け》しからんことです。両々共に騎虎の場合になって退引《のっぴき》ならないのでありますから、この時に、太田筑前守....
日本楽器の名称」より 著者:寺田寅彦
北東コンゴーのある地方の竪琴にクンディまたはクンズというのがある。ここまで来ると騎虎の勢いに乗じて、結局日本のコトをついでにこれと同列に並べてみたくなるのである....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
様にも似ていたろうかと思われて、今でも残念である。 この幕府の長防再征は、元々騎虎の勢いなので、寄せ手の兵はいずれの口もさほど士気が振っていなかったのだから、....
絶縁体」より 著者:豊島与志雄
板の間に叩きつけてやった。力がはいりすぎて、猫はぐったりとなった。そうなるともう騎虎の勢いで、市木さんはなお何度も猫を叩きつけ、打ち殺してしまったのである。 ....
貞操問答」より 著者:菊池寛
それで、南條先生が、わざわざ貴君を、ここへよこしたの。」 「ううん。」小太郎は、騎虎の勢い、そう答えた。 「じゃね、貴君の勉強の時間が了ったら、先生にお話がある....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
差したる損害を与えなかった。それでも二三人は顔や手に微傷を負った。もう斯うなれば騎虎の勢いで、今更|後へは引返されぬ。巡査も頬に打撲傷を受けながら、猶も二三|間....
道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
緩して、中央政府の威令が遠方に及ばぬ様な、至って混乱した時代であったが上に、彼は騎虎の勢いやむをえずしてそんな立場に推しすすめられたのではあるけれども、それでも....