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験ず
「験ず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
験ずの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
危険なもんか。真暗い部屋にたった二人きりでいたって大丈夫なひとだよ。僕は、もう試
験ずみだ。」 「君は、とんちんかんだからねえ。」と僕をあわれむような口調で言って....
「読書法」より 著者:戸坂潤
を適用すれば、理想的な農村工業となる。之はすでに方々の理研関係の農村小工作場で実
験ずみだという。 科学主義工業の観点に基いて「熟練工」の観念を批判するなどを含....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
もって、特使をごつんとやっつけた――つもりであった。しかし最初の一撃には、既に体
験ずみのアメリカ人のこととて、かの特使はくらくらとしながらも首をたて直し、 「そ....
「沈没男」より 著者:海野十三
ときには、しばしば英国全艦隊がこの港内に集結して鋭気を養っていたそうで、すでに試
験ずみの安全港であるそうな。 余が乗艦したロイヤル・オーク号は、現在このスカパ....
「死者の書」より 著者:折口信夫
身も。 大きに。 今度は軽い心持ちが、大胆に押勝の話を受けとめた。 お身さまが経
験ずみじゃで、其で、郎女の才高さと、男択びすることが訣りますな――。 此は――。....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
れたので、いかなる疑惑もあなたの心に忍びこむことはできませんのじゃ。これはもう実
験ずみの、確かな方法なのじゃから」
「実行の愛? それがまた問題でございます。し....
「女と帽子」より 著者:豊島与志雄
ので、あらゆる腹痛にきく特効薬で、副作用は絶対になく、自分の家では祖母の代から実
験ずみだとかなんとか……。あの男、いやに丁寧で、物腰も静かだが、なかなかくわせ者....
「今日の条件」より 著者:豊島与志雄
らないのだ。 文学が現実の再現であろうとする企図が遂に失敗に終ることは、既に経
験ずみである。文学は現実の転位の世界に於ける営みであって、この営みでは、常に現実....
「青春論」より 著者:坂口安吾
的な権力を持たせると忽ち威張り返ってやりきれぬ。というのは近頃八百屋だの魚屋で経
験ずみのことで、万人等しく認めるところだけれども、八百屋や魚屋に縁のない僕も、別....
「聖女人像」より 著者:豊島与志雄
、久しぶりで飲もう。」 「嘘言え。」 「いや、君と飲むのが久しぶりだ。こいつ、試
験ずみで、メチールはないから安心しろよ。」 こうなってくると、尾形はいつものよ....
「反スタイルの記」より 著者:坂口安吾
扱い、特攻隊にヒロポンを用いるつもりであったという、多少は度胸をつけること私も実
験ずみだが、この新美氏のヒロポンの知識は専門家だから大したもので、私は二時間にわ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
なことを言ってきたが、実際の事件に処しては無能のニセモノ探偵だということは再々経
験ずみであった。しかし、この時は推理に及ぶ必要がない。泥棒にきまっていると思いこ....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
きかなくなってるから、目玉のとびでる勘定をつきつけられた例は、大方の酔っ払いが経
験ずみだろうと思う。 今はどうか知らないが、去年あたりまでは、相当な身なりをし....
「聴衆0の講演会」より 著者:中井正一
から二、三を取上げるものではない。ある量以上になると、全部落すことが学問上でも実
験ずみであるが、私もそれを再び確認した。三つ位のテーマをくりかえしいって、それに....
「審判」より 著者:カフカフランツ
ろび、何も聞かないでいるのがいちばんいいと思うようになるっていうことは、私自身経
験ずみです。しかし、これもまたもちろんばかげたことでして、ベッドに寝ていていつま....