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騙
「騙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
騙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
何と云う図々《ずうずう》しい人だ! 嘘つき! 九尾《きゅうび》の狐! 男たらし!
騙《かた》り! 尼天狗《あまてんぐ》! おひきずり! もうもうもう、今度顔を合せ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
うのだ。それで大概、貴下の家は寂滅でしょうぜ。」 英臣は辛うじて罵り得た。 「
騙じゃのう、」 「
騙ですとも。」 「強請じゃが。汝、」 「強請ですとも。」 「そ....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
きないさ。いよいよ聞かなけりゃ、おとよさんを盗んじまうまでだ。大きな人間ばかりは
騙り取っても盗み取っても罪にならないからなあ」 「や、親父もちょっと片意地の弦が....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
び珊々たる光線を硝子天井の上に降りそそいだ。 「畜生! こんなカラクリに、ひとを
騙しやがってッ!」 漢青年は、壊れた天井の間から大空を見あげると、そこには碧い....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
は、さまざまの好餌を、市民の中にひけらかし、善良な人達までが、羊の皮を被った狼に
騙されて、襲撃団の中に参加したのは、物事が間違う頃合いにも程があると、後になって....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
番のばあやは金を貰っていながら、気味わるがっています。昨夜もそうです。蝋山教授を
騙して、不明の目的のために四郎の屍体を解剖させているうちに、怪漢を呼んで屍体を奪....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
ためらう。……代議士|穴隈鉱蔵、葉巻をくゆらしながら、悠々と出づ。 鉱蔵 其奴等
騙賊じゃ。また、
騙賊でのうても、華族が何だ、学者が何だ、糧をどうする!……命をど....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
本の一水兵の作戦は十分効を奏した。そしてリット少将以下の飛行島の幹部は、すっかり
騙されてしまった。 (これでいい。川上機関大尉の捜索隊は、これで解散になるだろう....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
奇妙な礼服などを調べてみた。彼は鋭い眼力を持っていたにも拘らず、ラザルスの変装に
騙されてしまった。 「ほう、お前は別に物凄いような顔をしていないではないか。好い....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
に描かれて、黒髪の輪郭が、細く円髷を劃って明い。 立花も莞爾して、 「どうせ、
騙すくらいならと思って、外套の下へ隠して来ました。」 「旨く行ったのね。」 「旨....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
されたものである。現在現れつつある奇蹟は、実は神の仕業を摸倣しつつある、悪魔の欺
騙に過ぎない。真理を以て信仰の上に置き、神の御子の絶対性を否定する者は、まさしく....
「「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
議論や処方を想い出し、比較してみると、支那医者は有意無意の差こそはあれ、皆一種の
騙者であることがわかった。同時にだまされた病人と彼の家族に対し、盛んなる同情を喚....
「政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
幼少のころから執念ぶかくたたき込まれた彼らの御都合主義の理念は、それが道徳の名を
騙ることによつて、我々の良心にまでくい入つてしまつているから始末が悪いのである。....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
て、わが心に予期するところ異なれば、その形また異なるものなり。俗にいう「足の音に
騙される」「風の音に
騙される」等は、みなこれと同一理なり。しかしてこの理また、コ....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
下の方では、伊作はさも、もどかしそうに、二人の下りて来るのを待っていました。 「
騙されたと思って、急ぐべし!」 と多助は、炭俵をがさがささせて、走って行きました....