騙す[語句情報] »
騙す
「騙す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
騙すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三山居士」より 著者:夏目漱石
に騙《だま》されて来て見たと云った。医者に騙されたという彼は、固《もと》より余を
騙すつもりでこういう言葉を発したのである。彼の死ぬ時には、こういう言葉を考える余....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
。馬鹿に恐ろしいことをやらせるものだ。これで――この手で、露西亜が日本をマンマと
騙すんだ、と思った。 ロシア人達は終ると、何か叫声をあげて、彼等の手を力一杯握....
「ズラかった信吉」より 著者:宮本百合子
どうしてきっと女が自分を打たなきゃならんもんときめてるんだ! 変な奴!」 「――
騙すなよ、おい」 伴《つ》れらしいのが、大笑いしながら、 「本当に、お前が当て....
「三郎爺」より 著者:宮本百合子
またどこかの狐が廻りはじめたときには――私は知らないが、彼の話によると、狐が人を
騙す第一には、先ず或る距離を置いて、グルグルと体の周囲を廻って歩くのだそうだ。―....
「破落戸の昇天」より 著者:森鴎外
客を呼んでいることもあるが、またある時は何箇月立っても職業なしでいて、骨牌で人を
騙す。どうかすると二三日くらい拘留せられていることもある。そんな時は女房が夜も昼....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
来ましたよ、他の芸妓と違ってお前は会津藩でも大禄を取った人の娘だから、よもや己を
騙すような事は有るまいと思ったから、一昨日母にも親族にも打明けたのは僕が過まりま....
「立山の亡者宿」より 著者:田中貢太郎
を騙した弱みもあるだろう、諦めて女を小八にやったらどうだな」 「亡者を抱えて客を
騙すなぞとは、そりゃ、小八さんの云いがかりじゃ、私は正道な道を踏んでいる宿屋家業....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
も客が居るに彼奴がぎゃア/\狂人のようになって、私の胸倉ア取って騒ぐから、何でも
騙すより外アねえと、此処じゃア話が出来ねえ、真堀の定蓮寺に海禪さんが留守居をして....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
に描かれて、黒髪の輪郭が、細く円髷を劃って明い。 立花も莞爾して、 「どうせ、
騙すくらいならと思って、外套の下へ隠して来ました。」 「旨く行ったのね。」 「旨....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
いても分らねいから、其処へ出やんしょう、これ八右衞門さん、アはゝゝゝ、どうもはア
騙すことは出来ねえもんだ、久しぶりで逢ったが、お前己を忘れたかい、お前は道連の小....
「雁」より 著者:森鴎外
己は随分人に馬鹿にせられ通しに馬鹿にせられて、世の中を渡ったものだ。だがな、人を
騙すよりは、人に騙されている方が、気が安い。なんの商売をしても、人に不義理をしな....
「「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
トと呼ばれる村民があって、ケットの者はそのマットの者を目してマット狢と称し、人を
騙すものとして恐れていたというのである。今去る九月に長野県|下水内郡桑名川へ行っ....
「味覚馬鹿」より 著者:北大路魯山人
手をかけなくても栄養も摂れ、美味でもあり、見た目も美しいものを、いたずらに子供を
騙すような料理をつくることは、料理人の無恥を物語るものであろう。 * ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
あんな女を褒めるが好い。
今に僕の笑って遣る時が来る。
僕を騙した通に、今に君を
騙すのだ。
あいつの色には地の精か何かがなって、
夜の四辻でふざけるが好い。
そ....
「山の人生」より 著者:柳田国男
には気狂のようになったという話が九州などには多い。それでいて必ずしも狐狸のごとく
騙すつもりではないらしいのである。川童にせよ何にせよ、どうしてまたこんな趣意不明....