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騾
「騾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
騾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
ィエンヌ河はその町はずれを流れていた。仏蘭西の国道に添うて架《か》けてある石橋、
騾馬《らば》に引かせて河岸《かし》の並木の間を通る小さな荷馬車なぞが眼の下に見え....
「一兵卒」より 著者:田山花袋
も思えん。思えんがいないのだ。 褐色の道路を、糧餉を満載した車がぞろぞろ行く。
騾車、驢車、支那人の爺のウオウオウイウイが聞こえる。長い鞭が夕日に光って、一種の....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
がレヴェズさん、貴方はこういうミニヨンを御存じでしょうか。――かの山と雲の棧道、
騾馬は霧の中に道を求め、窟には年経し竜の族棲む……」と法水が意地悪げな片笑を泛べ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
塚がならぶ広漠たる原野を横ぎってゆく。土の反射と、直射で灼りつくような熱気には、
騾の幌車にいてもマヌエラは眠ってしまう。やがてゆくと、白蟻が草を噛みきったあとが....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
行ったのである。江南へ行って、河間の南にある腰※の駅に宿った。 仲間の八人と、
騾馬をひく馬夫とがまず飯を食った。方は少しおくれていると、その一人が食いながら独....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
追いこして行った。Old time coach の紳士倶楽部員と、老夫婦をのせた
騾馬車の鈴、赤・黄・緑の見物自動車と最新のロウドスタア。 田舎みちの両側、ろん....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
それから、さらに日本へも寄ってみたいと思いました。 私は荷物を運ばせるために、
騾馬を二頭、それに案内人を一人やといました。あの貴族には、いろ/\世話になったの....
「阿繊」より 著者:田中貢太郎
て、持っていった嚢の粟を開けて帰って来た。 山が帰る間もなく二人の男が五|疋の
騾を曳いて来た。老婆は山を伴れて粟のある所へいった。それは窖の中に入れてあった。....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
セラピオン師はわたしを連れに来たのです。旅行用の貧しい手鞄などを乗せている二匹の
騾馬が門前に待っていました。セラピオン師は一方の
騾馬に乗り、わたしは型のごとくに....
「砂漠の情熱」より 著者:豊島与志雄
う伝統を肌身につけてる人々なのである。或は水牛の如く黙々として田畑を耕やし、或は
騾馬の如く唯々として荷を運び、或は家鴨の如く騒々しく群れてる人々なのである。 ....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
陽は落ちんとして、マハナディ三角洲はくらい靄のしたにあった。 するとそれから、
騾をつないであるアカシヤのしたまで来ると、とたんに、そばの草叢がガサガサっと動い....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
らは、もっと脚のしっかりしている、こういうでこぼこの道路でもなかなかけがをしない
騾馬を借りた。天気はよかった。八月なかばで、私のあらゆる悲しみの始まったあのみじ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
光りがあざやかに地を照らして、葉のまばらな柳のかげが白くなびいていた。どこやらで
騾馬の啼く声もきこえた。かれの衰えは去年から眼についていたが、戦場の秋にその訃音....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
余年前、満洲の戦地で聴いた動物の声で、私の耳の底に最も鮮かに残っているのは、蛙と
騾馬との声であった。 蓋平に宿った晩には細雨が寂しく降っていた。私は兵站部の一....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
それから翌日私はそのラマから借りた馬に乗って、そうして荷物はラタークの商人の
騾に載せて川端を指して参りました。ちょうどその時にはほとんど北に向って参ったんで....