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「驀然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

驀然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
きいてにやにやしていた主人は奮然として立ち上がった。猛然として馳《か》け出した。驀然《ばくぜん》として敵の一人を生捕《いけど》った。主人にしては大出来である。大....
白髪小僧」より 著者:杉山萠円
忘れてしまって、泣くにも泣かれず、只狂気のように頭の毛を掻《か》きむしりながら、驀然《まっしぐら》に王宮を駈け出ました。 十三 名馬の蹄音 紅矢が王....
乳色の靄」より 著者:葉山嘉樹
足をとった。 生々しい眉間の傷のような月が、薄雲の間にひっかかっていた。汽車は驀然と闇を切り裂いて飛んだ。 「冗談云うない。俺だって一晩中立ち通したかねえから....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
時刻。 かわいそうに、お君は死んでしまいました。 まもなく、この邸の裏門から驀然《まっしぐら》に走り出だした宇治山田の米友は、相生町を真一文字に、両国橋の袂....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ゅうございますとも」 この時に、竹藪の中を見込んでいたムク犬は、急に起き上ると驀然《まっしぐら》に藪の中をめがけて飛び込んでしまいました。 「どうしたんでしょ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
《ひづめ》の音。振返って見ると、砂烟《すなけむり》を立てて一頭の駄馬が人を乗せて驀然《まっしぐら》に走って来ます。お君は驚いてその馬を道傍《みちばた》に避けると....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
かわいそうに。ムクがかわいそうだ、ムクや、ムクや」 お君はムクの名を連呼して、驀然《まっしぐら》にこの火の中へ飛び込んでしまいました。煙に捲かれることも、火に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、天下無類の我儘娘《わがままむすめ》の仕事だ、見ちゃいられねえや」 と捨ぜりふで驀然《ばくぜん》として、道なき道を「関山月」の曲の音をたよりに走り出しました。 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の資料とするわけにはゆかないか―― 駒井甚三郎は、散漫な頭脳をそこへ統一して、驀然《まっしぐら》に船の図書室へ向って参入してしまいました。 左様なことを知ろ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
は、あんまり慌《あわただ》しい鷹狩であります。これらの同勢十八人は、雪を蹴立てて驀然《まっしぐら》に代官町の通りから荒川筋、身延街道をめがけて飛んで行きました。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
槍を隠して橋を渡ろうとした米友は、この声を聞くと共に、その槍を押取《おっと》って驀然《まっしぐら》に駈け出しました。 この時にあたっての米友は、もはや辻番の咎....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ひとつ探して来るから、それまで死なさねえようにして置きな」 と言い置いて米友は、驀然《まっしぐら》に走り出しました。 どこを当てともなく走《は》せ出しましたが....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
なあわただしい脱走ぶりを、試みなくともいいではないか。 だが、この少年は、なお驀然《まっしぐら》に走りつづけることをやめない。どうしても後ろから、追手のかかる....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
洞然たる一道の穴があらわれた。 「やあ」 声とともにがらがらと地ひびきをさせて驀然おどりだしたる一個の怪物が、富士男の顔をめがけてとびついた。 それはフハン....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
十丈の嶮崖を下らねばならぬ、ここが第一の難関、相悪く大降り、おまけに、横尾谷から驀然吹き上ぐる濃霧で、足懸りさえ見定めかね、暫時茫然として、雨霧の鎮まるを俟てど....