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「驕る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

驕るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
かに横《よこた》わる人の顔も美くしい。驕《おご》る眼は長《とこしな》えに閉じた。驕る眼を眠《ねむ》った藤尾の眉《まゆ》は、額は、黒髪は、天女《てんにょ》のごとく....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
ある山県の名を与えたのであった。常々武将の心得を語るのに、「二度三度の首尾に心｜驕る様ではならない。刀ですら錆びる。まして油断の心は大敵である。心驕ることなく、....
「弟子」より 著者:中島敦
して我に従う者は。」 子路は一瞬《いっしゅん》耳を疑った。この窮境に在ってなお驕るなきがために楽をなすとや？ しかし、すぐにその心に思い到《いた》ると、途端《....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
まさしくこれは別の世界に驕《おご》っている人と思わないわけにはゆきませんでした。驕るにはあらず寧《むし》ろ天真流露、自ら知らずして自ら得ている人に近い。兵馬が感....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
うが、その娘が気が詰ろうから、どこか小座敷へ休まして皆で饂飩でも食べてくれ。私が驕る。で、何か面白い話をして遊ばして、やがて可い時分に帰すが可い。」と冷くなった....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
縁はすぐつながるよ。会のかえりに酔払って、今夜、立処に飛込むんだ。おでん、鍋焼、驕る、といって、一升買わせて、あの白い妾。」 「肝腎の文金が、何、それまで居るも....
「梅花の気品」より 著者:豊島与志雄
梅花の気魄である。霜雪の寒さを凌ぎ、自らの力で花を開き、春に魁けして微笑み、而も驕ることなく、卑下することなく、爛漫たる賑かさもなく、荒凉たる淋しさもなく、ただ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
すよ。 茶を入れかえる、といったのを振切って出て、大塚の通りから、珍らしく俥を驕ると、道の順で、これが団子坂から三崎町、笠森の坂を向うへ上って、石屋の角でさ。....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
と反感とを長じて終に伊井内閣を危うするの蟻穴となった。二相はあたかも福原の栄華に驕る平家の如くに咀われた。 伊井公侯を補佐して革命的に日本の文明を改造しようと....
「天を怖れよ」より 著者:小川未明
者であると誰が確信するものがありましょうか。適者生存は、犯し難い真理であります。驕る者久しからず、これを思えばもっと人間は、動物に対して、親切であるべき筈である....
「三国志」より 著者:吉川英治
その後、日を経て、董卓の病もすっかりよくなった。 彼はまた、その肥大強健な体に驕るかのように、日夜｜貂蝉と遊楽して、帳裡の痴夢に飽くことを知らなかった。 呂....
「三国志」より 著者:吉川英治
報告だ。 「ははあ。俺が瀘水でやった布陣をそのまま真似していやがるな」 野性は驕るに早い。そして従前の敗北はすぐ忘れている。それに新しく連邦九十三｜甸の加勢を....
「三国志」より 著者:吉川英治
たび鳴りをひそめてしまった。 孔明は、拠るところの祁山へ兵を収めたが、勝ち軍に驕るなかれと、かえって全軍を戒めていた。そしていよいよ初志の目標にむかい、長安、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ござりましたか、ではあくまでも御再起の御心のもとに」 「ここは目をつむって尊氏の驕るがままにしておこう。四方の官軍がふたたび起ち上がるときを待つ。どんな怺えをし....
「随筆　新平家」より 著者:吉川英治
を過って、平治合戦以後は、洛中、平家一色となってしまったのです。 といっても“驕る平家”とか“一門栄花”とかいわれた春が、一ぺんに六波羅へ来たわけではありませ....