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「驚駭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

驚駭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
父帰る」より 著者:菊池寛
新二郎 南の道を探したが見えん、北の方を探すから兄さんも来て下さい。 賢一郎 (驚駭《きょうがい》して)なに見えん! 見えんことがあるものか。 (兄弟二人狂気のごとく出で去る) ――幕――....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
あって、やはり十四郎は、同じ迷濛状態にあったのではないか。それは、たしかに一脈の驚駭だった。そうして、滝人の手は、怯《おび》やかされるまま、御霊所の扉に引き摺ら....
ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
こったのだった。 2 「このライターは誰のです?」帆村荘六は、おみねが驚駭にうちふるえている前に、このカフェ・アルゴンの入口で拾ったライターをさし示し....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
幕に突き立てたのだ。ところが、紅に染んで斃れたのは、長子のウォルターだったので、驚駭した主は、返す一撃で自分の心臓を貫いてしまった。次はそれから七年後で、次男ケ....
近時政論考」より 著者:陸羯南
の争いは言論の争いを停止するの力あり、鹿児島私学校党の一揆は、ただに当時の政府を驚駭せしめたるのみならず、世の言論をもって政府に反対する諸人をも驚かし、一時文墨....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
見給え」 「屍体が違ったのです。全然違うのです」 「えっ」 署長と主任は同時に驚駭の声を上げた。 「全然違うのです。今朝掘り出したのは老人の屍体なのです」 ....
姥捨」より 著者:太宰治
した。 「おばさん。いたいよう。胸が、いたいよう。」笛の音に似ていた。 嘉七は驚駭した。こんな大きな声を出して、もし、誰か麓の路を通るひとにでも聞かれたら、た....
時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
はたいへんだ。ホテルの近所の家は、全部立ち退きをしないと大危険だねえ」 彼は、驚駭のあまり、歯の根もあわず、がたがたと慄えだしたが、そのとき咄々先生はからから....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
向けに倒れ、もがいた手足をそのままに乱れ敷いていたのである。 いやが上の恐怖と驚駭は、わずかに四五間離れた処に、鳥の旦那が真白なヘルメット帽、警官の白い夏服で....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
当を附けることが出来なかったので、スクルージに取っては十二の妖怪が出たよりも一層驚駭すべきものであった。時としてはまたその瞬間に自分が、それと知るだけの慰藉さえ....
星女郎」より 著者:泉鏡花
の五尺の霧、ひらひらと立って、袖擦れにはっと飛ぶ。 「わっ。」 と云って、境は驚駭の声を揚げた。 遮る樹立の楯もあらず、霜夜に凍てたもののごとく、山路へぬっ....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ぬところに起る火のことを云って居る。史記孝景本記に、「三年正月乙巳天火大起、飛鳥驚駭」とある如きである。併しその火が天に燃えていてもかまわぬだろう。いずれにして....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
長の疲労し切ったからだを飛び越えて、再びこちらへ向かってきそうであったので、僕は驚駭のあまりに声を立てようとしたが、どうしても声が出なかった。すると、突然に怪物....
荘子」より 著者:岡本かの子
にした麗姫の活人形が薄暗い土間につと躍り出た。 「あれ、麗姫が!……」 矢庭に驚駭の声を立てたのは今しも其処に酒杯の盆を運んで来た田氏であった。....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
分間を要したであろう。恐らく、私たちの見た時間は二十分と経っていない。 畏怖と驚駭と感嘆と、絶大の圧迫感と、憎悪と崇拝と、私たちはあまりに苛まれ過ぎた。 茲....