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骨と皮
「骨と皮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
骨と皮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
っさ》に法衣《ころも》の膝《ひざ》を起した。榾火《ほたび》に照らされた坊主の顔は
骨と皮ばかりになった老人だった。しかし伝吉はその顔のどこかにはっきりと服部平四郎....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
御恵みに違いありません。ただわたしの体を捨てる、吐血《とけつ》の病に衰え果てた、
骨と皮ばかりの体を捨てる、――それだけの覚悟をしさえすれば、わたしの本望は遂げら....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
馴染《なじみ》でしょう。
使 何、玉造の小町に小野の小町! あなたがたが、――
骨と皮ばかりの女乞食が!
小野の小町 どうせ
骨と皮ばかりの女乞食ですよ。
玉....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
の腕をつかんで、無理にそこへ※《ね》じ倒した。丁度、鶏《にわとり》の脚のような、
骨と皮ばかりの腕である。
「何をしていた。云え。云わぬと、これだぞよ。」
下人....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
た。)
(あの流れはどんな病にでもよく利きます、私《わたし》が苦労をいたしまして
骨と皮ばかりに体が朽《か》れましても、半日あすこにつかっておりますと、水々しくな....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
らしい者もない、全然やもめで、実際形影相弔うというその影も、破蒲団の中へ消えて、
骨と皮ばかりの、その皮も貴女、褥摺れに摺切れているじゃありませんか。 日の光も....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
土に踏み滑らし、横倒しになると、坂になっている小径を滝のように流れている水勢が、
骨と皮ばかりになっている復一を軽々と流し、崖下の古池の畔まで落して来た。復一はよ....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
だぶの服を着ていたが、すそは破れて、膝のすぐ下までしかなかった。そしてやせこけて
骨と皮ばかりになった足首を、鉄のくさりがじゃけんに巻いていた。その人物は、顔にお....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
より細い声だけれども、五十年の明暮を、一生懸命、そうした信仰で鐘楼を守り通した、
骨と皮ばかりの爺が云うのだ。……鐘の自から鳴るごとく、僕の耳に響いた。……且は臨....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
のだった。その男というのがまた奇妙な人物だった。非常に背が高くて、しかも猫背で、
骨と皮とに痩せていた。眼の下には黒い隈が太くついていて、頬には猿を思わせるような....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
しまいました。 その次のも時々悲鳴を上げましたそうですが、二年|経ってやっぱり
骨と皮になって、可哀そうにこれもいけません。 さあ来るものも来るものも、一年た....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
、風が吹くとも思やせぬ。……泣いていようと、煩っていようと、物も食べられないで、
骨と皮ばかりになっていようと、髪の毛を※られていようが、生爪をはがれて焼火箸で突....
「子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
とても舞台の人にはなれそうもないので、旅さきから一座の人々に引き別れて、ほとんど
骨と皮ばかりの哀れな姿で、故郷の江戸へ帰って来ました。六三郎の家は深川の寺町にあ....
「明るき世界へ」より 著者:小川未明
ら下りた三|人のものは、目ばかり鋭く光って、ひげは黒く、頭髪はのびて、ほとんど、
骨と皮ばかりにやせ衰えていたのです。 「みんな俺たちの顔をば忘れてしまったろう。....
「おおかみをだましたおじいさん」より 著者:小川未明
いてくるのを待っていました。そして、いいました。 「おまえは、俺みたいなやせた、
骨と皮ばかりの人間を食っても、なんにもならないだろう。もっとふとった、うまそうな....